10月開幕、卓球「Tリーグ」が実現したい未来 参戦する男女8チームが決定、今後の展望は?

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Tリーグ参入の主な条件は、

① 入会金2000万円
② 年会費1500万円
③ 年2億~3億円の収支がある事業性であること
④ チーム名に地域を入れる(企業名の併記は可能)
⑤ 2千人規模のホームアリーナがあること
⑥ 登録選手の中に世界ランク10位相当の選手を1人入れること
⑦ 6歳以下の育成機関があること

となっている。昨年9月15日、「Tリーグ」参入チームの募集を開始すると、すぐに水谷隼選手や張本智和選手の契約先である木下グループが男女2チームで参入申請を表明した。募集は11月末まで行われ、今回参加が決定したのは、次の8チーム。

男子は、木下グループ(東京)、チーム埼玉、チーム岡山、琉球アスティーダ(沖縄)で、女子は木下グループ(神奈川)、日本生命(大阪)、日本ペイントホールディングス(大阪)、トップ名古屋だ。

今年の10月からに半年に渡って開催される初年度の「Tリーグ」は、男女各4チームによるトップクラスの「Tプレミア」が実施される。試合数は7回戦総当たりで各チームがシーズン21試合のリーグ戦を行い、上位2チームによる優勝決定戦を行う予定だ。

Tリーグの最上位に位置するTプレミアリーグは、サッカーのプレミアリーグや野球のメジャーリーグのように、世界中からトップ選手が集まるリーグにしたいという野望がある。卓球の強豪国である、欧州のドイツ、アジアの中国のトップ選手もTリーグに参戦可能だ。たとえば、中国のスーパーリーグとも開催時期をずらしていることから日本人選手と、海外選手がTリーグの舞台で戦うことのできる「世界一を目指すリーグ」(松下氏)に向けた土壌は整えつつある。

トップクラスの選手をいかに集めることができるか

「参加チームが決定したので、(チームが)選手にアプローチをかけて契約すると思います。」と松下氏が言うように、選手の所属先はこれから決定するが、チーム数が限られているため早めに決まる見通しとなっている。各チームは、日本人トップクラスの選手たちや世界トップクラスの選手がいる中国側へは積極的に接触をしていくとのことだ。

発表会には、リオオリンピック卓球男子団体で銀メダルを獲得した丹羽孝希選手(スヴェンソン)と、1月の全日本卓球選手権の女子ダブルスで「みまひな」ペアとして伊藤美誠選手(スターツ)とともに優勝した早田ひな選手(日本生命)がゲストとして訪れた。

丹羽選手は「国内で世界のトップ選手達と戦える機会が今までなかったので凄く楽しみです。リーグで力を付けてリオでは銀メダルだったので次は金メダルを目指して頑張っていきます」と話し、早田選手は「沢山の方に観戦していただいて卓球の面白さを知っていただきたいと思います。リーグに参加してもっともっと強くなって東京オリンピックで団体と個人で金メダルを獲れるように頑張りたいと思います」と意気込んだ。

記者会見の会場にかけつけた丹羽選手(左)と早田選手(右)(編集部撮影)

そして、会場には張本智和選手からビデオメッセージも届いた。「Tリーグが始まることは僕たちの世代にとってもとても嬉しいことです。僕自身も参加できたらもちろんプレーしたいと思います。リーグで卓球の面白さを知ってもらって日本の卓球がもっと盛り上がってくれたら最高です。」現在、張本選手は木下グループと契約をしているが、Tリーグに正式に参加するかは未定である。前出の丹羽選手もスヴェンソンが参加チームにないため、どのような形で参戦するかは現時点では決まっていない。

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