個人投資家が株の暴落からおカネを守る方法 本物のバブルは、こんなに生やさしくはない

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今回程度の下落を、気がついてみると数カ月程度で取り戻し、市場に新たな楽観が生まれて、仕上げ的な上昇局面を経て、後から見ると馬鹿馬鹿しく思える高値を付けてから下落にいたるのが普通だ。バブルとは、この程度の下落で簡単に幕引きになるような生やさしいものではない。投資家は、自分が持つリスクの大きさに気をつけながら、まだ株を持っているのが正解になる場合が多いだろう。

一方、株価の状況が「バブル」ではなかったのだとすると、今回の下落はいわゆる「調整」であり、まだ続く上昇途中の小休止だ。この場合も、投資家は我慢して待っているとやがて報われるはずだ。

つまり、筆者の直感は「まだ売らなくていい」と言っている。しかし、人の「直感」など全くあてになるものではない(まして、筆者は、「証券マン」でかつ「評論家」だ。信じて頼ってはいけない人の属性を複数備えている!)、ということもまた大事な投資常識である。

米金利上昇と円高の不運が重なった

波乱の直接の引き金は、米国の雇用の数字が良かったことから米国の長期金利が上昇したことだった。

前述のように、好景気ではあっても、金利上昇に伴って株価の下落局面が「いつか」やってくることは不可避だが、FRBの誘導目標である政策金利が1.25〜1.5%、長期金利が3%の手前で、株価が当面の天井をつけるのは、経験的にはいかにも早い。

さて、米国長期金利の上昇に加えて、日本の株式市場は円高の影響も受けた。特に、連休明けの2月13日(火)は、前日の海外市場の株高と前週末に報道された政府による黒田東彦・日銀総裁の再任意向の報道を受けて株価上昇で始まったが、その後、1ドル=107円台に突入する円高の影響で株価は下落に転じて、何と前週前比マイナスで引けてしまった。これにはガッカリした投資家が少なくあるまい。翌、2月14日も、106円台に入る円高の影響で株価はさらに下落した。

米金利上昇による米株下落も、突然の円高による株安も、昨年末に「もし2018年に株価下落があるとすると、その原因になる材料」として想定されていたもので、共に常識的なものだが(本連載でも取りあげた)、両方が続けて現れたことは、日本の投資家にとっていささか不運だった。人間で言うと、食べ過ぎで腹を壊したところに、続けてインフルエンザに罹ったような案配だ。ただ、どちらも普通に起こり得る症状で、多くの場合、一過性のものだ。

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