今回の株価崩落は大規模ショックの前兆か? 米国株が再度下落したら日本株を買うべきか

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今回の米国株の大幅下落は「大きなショック」の前兆なのだろうか(写真:AP/アフロ)

米国10年債の長期金利が2.7%を超えた後、長きに渡って続いていた「ゴルディロックス(適温)相場」が崩壊した。

米国株は、引き続き注意が必要

金融政策の不透明感から、NY(ニューヨーク)ダウは「1週間に2度も1000ドル安を記録するという、今までなかった波乱を呈している。

波乱なしの適温相場を満喫していた「VIXベアETN」(いわゆる恐怖指数と逆の値動きをする上場投資証券)などを買っていた世界の投資家は、「今回の波乱で一瞬にして4300億円の大半を失った」との報道がある。

しかし、これですべてが明るみに出たかは分からない。2008年9月のリーマンショックは、トリプルA級の債券ファンドに「毒まんじゅう」(サブプライム証券化商品)が含まれていた。これがのちに判明、大混乱となった。その大波乱の約1年前の2007年8月、おぼろげながら見えてきたサブプライム問題で、ミューチュアルファンドの解約不能事件が起きていたこととダブる。注意が必要だ。

今回の波乱は、ジェローム・パウエル新FRB(米連邦準備制度理事会)議長を中心とするFRB新体制への不透明感も、一つの原因だ。

「ジャネット・イエレン前議長の緩和策」によって、FRBのマネタリーベースは2兆ドル台から約4兆ドルになった。この資金が米国を活性化させ、世界の株高を誘導したことは紛れもない事実だ。できれば、バランスの取れたテーパリング(緩和縮小)を本人にやってほしかった。だが、ドナルド・トランプ大統領が誕生したことで、戦後誰もいなかった1期だけでの退任(事実上解任に近い)となってしまった。この「解任」が、金融政策の節目という最悪のタイミングで実現したことによるマーケットの戸惑い。それがこの波乱の本質だと思っている。

マーケットは不確実性をもっとも嫌うと言われる。1987年10月のブラックマンデーも、のちに約19年間FRB議長を全うすることになるアラン・グリーンスパン氏に対して、臆病なマーケットが不透明感を嫌って示した反応とも言われる。

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