なぜ現役自衛官は「国会で答弁」できないのか

石破茂×丹羽宇一郎対談<後編>

専守防衛というときの防衛力とはどんなものか(撮影:梅谷秀司)
緊迫する東アジア情勢の中で、日本の「安全保障」をどうとらえればいいのか。『戦争の大問題』を上梓した元・中国大使の丹羽宇一郎氏が、衆議院議員・石破茂氏との対談に臨んだ。その後編をお届けする。

前編:日本は今こそ「核問題」を真剣に議論すべきだ

私は防衛と安全保障は違うと考えている。防衛とは敵国がいて、その敵国の軍事力に対抗するために備える力である。防衛とは敵がいて成り立つ力対力の図式だ。

一方、安全保障とは、国民と国土の安全と平和の確保が目的である。国民と国土の安全と平和を守るための手段は、武力だけではない。最善の安全保障とは敵をつくらないことだ。平和条約のみならず、外交努力や経済・文化交流も有力な安全保障の手段となる。防衛が力対力であるのに対し、安全保障は話し合いが基本にある。

力対力の出口は戦争である。したがって、国家間の紛争については、できるだけ話し合いというものを前面におく――できるかどうかは別としても、トップはそういう方針を堅持すべきだ。それが世界の全体のためにもいいと思っている。

では、防衛力は無用かというと、必ずしもそうとは考えていない。やられたらやり返す力がなくて一方的にやられるようでも困る。日本は専守防衛であるが、専守防衛というときの防衛力とはどんなものかについても考えないといけない。安全保障とは、また別の切り口で議論すべき問題である。

そこで前回に続き、この方面で政界随一の石破さんにお話を聞いた。

次ページ次ページより石破茂氏と筆者との対談
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