北朝鮮がICBMを開発すれば日米同盟は弱まる 現実味を帯びる「米国が日本を見捨てる日」
ドナルド・トランプ米政権が北朝鮮の核ミサイル開発を抑止するために平壌に「最大限の圧力」をかけるなか、北朝鮮のミサイル発射実験が止まらない。6月8日には新型の地対艦巡航ミサイルを発射。これで4週連続の発射実験となった。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、たとえ天地がひっくり返っても、米本土を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発するまでミサイル発射実験をやめないと筆者はみている。このことが日本の安全保障にもたらす影響について考察してみたい。
世界が非核化しなければ核放棄せず
北朝鮮は、自国の核兵器が米国に対して向けられた「自衛的手段」であり、世界が非核化するまで核開発を放棄しないことを国内法令として示している。米国やロシア、中国など5大国はおろか、インドやパキスタンまでもが核保有国となるなか、世界の非核化などありえない。
また、北朝鮮にとって、核ミサイルは朝鮮半島統一のための武器である。北朝鮮は朝鮮半島への米国の軍事介入リスクを排除したうえで、北朝鮮主導で南北国家と朝鮮民族の統一を成し遂げようとしている。
金正恩委員長は2016年5月、朝鮮労働党第7回大会で行った中央委員会の活動報告の中で次のように述べている。
「これ以上民族の分断を持続させてはならず、われわれの世代に必ず祖国を統一しなければなりません」「アメリカは、核強国の前列に立っているわが共和国の戦略的地位と大勢を直視し、時代錯誤的な対朝鮮敵視政策を撤回するとともに、停戦協定を平和協定に変え、南朝鮮から侵略軍と戦争装備を撤退しなければなりません」
このように北朝鮮が米国と渡り合い、金正恩氏が掲げる「祖国統一の革命偉業」を実現するためには、核ミサイルが必要不可欠になっているのだ。
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