仕事のやり直しが多い人は「トヨタ式」に学べ 始める前の準備に時間と手間をかけよう

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後からやり直さなくてもいいようにするには?(写真:UYORI / PIXTA)

やり直しは顧客のせいではなく自分たちのせいだった

家は一生のうちで最も高い買い物。できるなら心の底から納得のいくように、それも可能なかぎり安く手に入れたいというのが、多くの人の思いでしょう。「こんな家に住みたい」「自分の部屋はこんなふうにしたい」というたくさんの希望も持っています。

某ハウスメーカーA社の営業マンはかつて顧客からこうした希望をしっかりと聞いたうえで設計に反映し、そして建設に取りかかっていました。ところが、いざ設計図が出来上がってみると、「こうじゃないんだよなあ」「なんかイメージと違うなあ」というやり直しの声が上がり、何度も設計をやり直したうえでようやく着工にこぎ着けることがしばしばでした。

こうしたやり直しのムダの改善がA社の課題でした。やり直しが多いとどうしても時間がかかりますし、その分、コストもかかります。それでも顧客の納得が得られればいいのですが、最後は「時間」を理由に押し切ることもあります。いざ工事に入ってから、時には完成してから「なんか違うんだよなあ」という不満を顧客が口にすることがあるほどでした。

これでは「家を買う」という顧客の満足度は契約時点をピークに下がっていくことになってしまいます。せっかくの顧客の「喜び」が半減するのです。

拙著『トヨタだけが知っている早く帰れる働き方』でも詳しく解説していますが、トヨタ式の「『なぜ』を5回繰り返す」ことでA社がその原因を調べたところ、いくつかの理由がはっきりしました。

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