43歳「4つの稼ぎ方」並行する男の快活な人生

どれかがダメになっても自分の心は腐らない

上京した年のうちには食えるまでにはいかなかったが、ポツポツと仕事をもらえた。

ただ出版社からの受注仕事の場合、未来の保証はない。今月たくさん仕事が来たからといって、来月も仕事が来るとは限らない。仕事が来ないと“売れてない感”が出てしまう。この“売れてない感”が精神的に一番良くない。自分自身を追い込んでしまう。

「売り込みに行って家で電話を待っているのって、すごい“待ち”の姿勢ですよね。持ち込みのために何か作ろうと思っても、〆切がないのでなかなかやる気も起きない。だから個展をすることにしました。開催日が決まってしまえば作らざるをえないですからね」

東京に来た年に、早くも1回目の個展を開いた。ギャラリーにはお客さんが来てくれて、作品も売れた。

「作品が売れるということは、作品は悪くないということですよね。たとえメディア(媒体)の仕事が来なくてもしょげる必要はない。個展はどんどんやったほうがいいな、と思いました」

メディアでの仕事と個展どちらも続けていると、相乗効果が働いた。

仕事先の人が個展に来てくれた時に作品がたくさん売れているのを見ると「人気があるんだな」と思って、新たに仕事をくれた。

またギャラリーで作品を買ってくれていたお客さんが「雑誌でも見たよ!! がんばってるね!!」と言って新たな作品を買ってくれたりした。

そうして2年間仕事を続けていると、ナイキの広告の仕事が来た。大手の仕事は、新たな仕事を呼んだし、ギャラも上がった。

はたして「2年間でプロになる」という目標は叶った。

仕事は4本柱へと変化した

ソフビ人形の製作販売が3つ目の柱だ(写真:筆者提供)

その後、20年近く同じスタンスで続けているが、最近ではメディアの仕事と個展の2本柱から、4本柱に変化したという。

「ソフビ人形の製作販売が3つ目柱、そして地元高知での仕事が4つ目の柱ですね」

ソフビ人形とは、ソフトビニール製の人形だ。子ども向けの怪獣やヒーローものの人形などが多い。ソフビ人形を作るには、人形の金型を作らなければならないので最低でも40万~50万円はかかる。人形を製作して100~200個売ってやっと元が取れる商売だ。

「もともとは広告などでまとまったおカネが入った時に、自分へのご褒美的な感覚で作ったのが始まりでした。それほど売れなくても、趣味で作っていたのですが、ここに来て火がついたように売れ始めました」

デハラさんのソフビ人形は現在アジアを中心に勢いよく売れている。

売れ始めたきっかけの一つは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の“インスタグラム”の影響だという。ソフビ人形を旅先などで写り込ませて、観光写真を撮るのが流行っているのだ。

「ファンの人はカラーリング違いの商品を全部揃えてくれたりします。よく売れてますね。売れていると日本の転売屋の人たちも来て買っていくので、ますます売れます。ただ、今の売れ方はただの流行りだと思うので、そのうち収まるんだろうなとは思っています」

次ページ4本目の柱は?
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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。