白石晃士氏(44歳)はホラー映画を中心に製作する映画監督だ。
『ノロイ』『口裂け女』『貞子vs伽椰子』などの劇場公開作品も評価が高いが、『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』は低予算のビデオシリーズにもかかわらず、回が重ねられるたびにナゾがナゾを呼ぶモキュメンタリー作品(ドキュメンタリー作品に見せかけたフィクション作品)として、数多くのマニアックなファンを獲得した。第1作であるFILE-01【口裂け女捕獲作戦】から5年経った今でも新作が待ち望まれている。
白石監督に、現在にいたるまでの道筋を伺った。
生まれた場所は、車の中だった
「小さい頃は福岡県の……どこに住んでたのかな? 細かい場所はよくわからないんですけど。生まれた場所は、車の中だったらしいです」
父親は自衛隊員で自衛隊の官舎に住んでいた。2人の兄と姉に次ぐ4人目の子供だった。母親は自衛隊の官舎で産気づいたがなかなか救急車が来ない。仕方なく父親の車でかかりつけの病院まで向かった。
「病院に着くちょっと手前で出てきちゃったらしくて。父親は片手でハンドルを握ったまま、片手で私を落っこちないように支えたらしいです。車は血が飛び散って大変だったそうです」
しばらくは自衛隊の官舎で生活していたが、炭鉱町の小さな長屋に引っ越した。
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