「部下のやる気を引き出せない人」にない視点 もっとも有効なモチベーションアップ法とは

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そこで、従業員のエンゲージメントとやる気を引き出して変革を行い、優れた組織を構築するために、インスピレーショナル・リーダーシップをどのように取り入れればよいのか、フェザー氏に話を聞きました。

やる気を起こさせるためには

――「インスピレーショナルなリーダーになる」とは、どういうことなのでしょうか。

1つの明確な定義があるわけではありません。もしインスピレーショナルなリーダーだと思う人は誰か、と10人に尋ねたら、おそらく8~10人の異なる人物の名前が挙がるのではないでしょうか。もし2人が同じ人物の名前を挙げたとしても、そう思う理由はそれぞれ異なるはずです。

この質問をすると、名前が挙がったそのリーダーよりも、むしろそう答えた当人について知るべき事柄が多いものです。人の感じ方はそれぞれ異なります。リーダーがやる気を起こさせてくれると感じるとき、彼らは自分たちの価値観や感情に訴えかけてくる何かをそのリーダーの中に見いだしているのです。

このことを理解すれば、次に「自分がリーダーになった場合、どうすれば部下の価値観や感情を理解したうえで、彼らにやる気を起こさせることができるか」という疑問が湧くはずです。

――やる気を起こさせるには、どうすればいいのでしょうか。

その人の価値観や感情に訴えかける何かを仕掛けたとき、あなたのことを「やる気にさせてくれる人物」だと見なす可能性が高くなります。たとえば、企業のリーダーであれば、「あなたはダイバーシティを重視しているので、ダイバーシティに関するこのプロジェクトをぜひ任せたい」と持ちかけてみる。あるいは、「今起こっている変化の中であなたは不安を感じているかもしれない。それを解消するための解決策を一緒に考えよう」と呼びかけるのもいいでしょう。

――集団のモチベーションを上げようとする場合は?

個人と同じように、組織もまた価値観と感情を持っています。組織の価値観はその文化の中に組み込まれているのです。ある強い感情を持つ人たちと一緒にいると、その集団の中で、人々は「感情の伝染」というプロセスを通して、同じ感情を共有することになります。

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