この連載の取材も含めて、3日に1件ぐらいのペースで恋愛や結婚に関するインタビューをしている。多種多様な男女の話を聞いていてときどき感じるのは、「恋愛体質ではないが結婚向きの人はいる」ということだ。
仕事や趣味など夢中になる対象がある人は、恋人にもマメに連絡を取らないことが多い。デートは週に1回でも十分すぎると思っている。相手は寂しい思いをしかねない。
こういう非恋愛体質の人と深く付き合いたい場合は、いっそのこと結婚してしまえばいいと筆者は思う。家族になれば空いている時間は基本的に一緒にいるのだから、会う予定をいちいち調整する必要はなくなる。家事や子育て、老親の世話に関する連絡事項も自然と増える。恋人同士のとりとめのないLINEなどは苦手とする彼らも、業務連絡は明確で迅速だったりする。ちょっと冷淡だなと思っていた恋人が配偶者としては心強かったりするのだ。こちらの出張などで1人にさせても問題ないし、その間の浮気の心配もない。
特定の恋人を作らない「リスクヘッジ」生活
名古屋市で医療関係の仕事に従事している小松正志さん(仮名、35歳)も、恋愛よりも仕事や遊びを優先し続けてきた男性だ。ただし、モテなかったわけではない。逆だ。病院という「女性社会」の職場で、同時に複数の女性とデートをする生活をしていた。
「女性が多いところで働いていると、食事に誘われることなどはしょっちゅうです。でも、女性が男性を誘うのは多少なりとも勇気が要ることですよね。拒むことは申し訳ないと思っていました。相手が既婚者だったこともあります。恋人も結婚相手もほしくなかった僕はそれでもいいと思っていました。2番手男子、すき間産業、です」
正志さんは「モテ職業」の医師ではない。しかし、仕事にも遊びにも精力的で、リーダーシップもコミュニケーション能力も高く、オシャレだ。それでいて恋愛重視ではないので「がっつき感」はない。さまざまな年代の女性たちに好かれるのは納得できる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら