では最後にもうひとつ、このような「心をつかまれた」エピソードもあるのです。ではCさん、お願いします。
女性部下C 「はい。あるとき新規のプロジェクトが始まることになり、私としてはこれまでの実績と信頼もあるだろうから、責任あるポジションを期待していたのです。しかし結果は、リーダーどころか『後輩のサポート&ケアをしてくれ』という裏方サポート。『後輩のケアをするくらいなら、シミ・シワを気にして肌ケアしたいわよ!(怒)』と一気にモチベーションも下がり、自分の実力のなさでふさぎ込んでいたのです。そんなとき、別部署の同僚がこんなことを言ってきたのです」
同僚 「あなたの上司が『Cのアドバイスは的確で仕事が早くなる。社内の誰もあいつに勝てないくらいだからな。皆、見習うように』って、褒めていたわよ。あなたのポジションは最大限の評価なんじゃないのかな」
女性部下C 「私は評価されていなかったんじゃないのです。信頼されていなかったわけでもないのです。やっぱり私のことをちゃんと理解してくれているのは上司なんだとわかって、本当にうれしかったです」
このように直接、本人に向かって投げかけなくても、人づてにでも「心をつかむ」こともできるのですね。高等テクニックという気がしますが(笑)、場合によっては面と向かってマンツーマンで聞かされるよりも、効果的なこともあるのではないでしょうか。
以上のように3人の女性部下から、上司に「心をつかまれた」エピソードを語ってもらいましたが、いかがでしたでしょうか? どのエピソードにも共通していること、それは悩んでいる女性部下の気持ちに立って考え、その落ち込んでいる絶妙なタイミングで言葉を捧げている点ではないでしょうか? 実はこの「女性部下の気持ちに立つ」というのがとても大切なポイントなのです。
女性脳と男性脳の違いとは
ケンブリッジ大学の心理学・精神医学教授であるバロン=コーエン氏によると、他人の気持ちに共感する能力と、物事や現象に法則性を見出す能力では女性は前者が後者より優位な人が多く、男性には後者が前者より優位な人が多いとのことです。つまり女性の心は他者の気持ちをわがことのように感じ(共感)、男性の心はシステムを理解し構築するように作られている(解決)と言っています。
このことからも共感性が高いオンナゴコロは、システム化されているような解決へと導くアドバイスよりも、「現状の問題について一緒に考えてくれている」伴走型と感じるようなアドバイスに「心をつかまれる」ようですね。
このコラムをご覧の男性上司の皆さん。これから女性部下からの「相談があるのですが」には、張り切り過ぎてすぐに解決案を提示せず、「相談」という言葉の語源である「相」「談話する」という気持ちで、「共感を持って聞き、解決するのではなく理解しよう」としてあげてください。
ここまでお読みになって、「上司はカウンセラーじゃない!」とお怒りの方もいるかもしれません。ですが、たまには女性脳(心)に付き合う時間を持つことも新たな発見もあり、脳(心)の活性化のためには新しい発見があるかもしれませんよ。
くれぐれも、左手でつぼみのような形を作りながら、滝川クリステルさんのまねをして、「お・ま・え・や・れ」などと言って、周りを凍らせないよう注意してくださいね(笑)。
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