「30代子育て夫婦」は保険で大失敗しやすい 人生のリスクはどこまで保険でカバーする?

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岩城:そうですね。自営業の方は、有給も傷病手当金もないし、障害基礎年金も1級2級に該当した場合だけですから、「就業不能保険」の必要性は高いといえますね。

しかし、考えなくてはならないのは、やはり保険料です。リスクをすべて保険でカバーしようとすると、保険料が大きくなってしまいます。「そのせいで、貯蓄ができない」となってはいけません。徳田さんが提案されている就業不能保険の保険料は月額4170円ですね。見直しも含めた先の3つの保険と合わせると、4つで年間18万円台の保険料です。そして、さらにもう1つ変額保険も勧められたのですか? これはどういう理由で?

保険で貯蓄もできるという「セールストーク」に乗るな

徳田さん:死亡保障があって、さらに子どもの教育資金を作ることができるものだそうです。今は低金利なので「ある程度リスクをとる必要がある」と言われました。月払い、長期分散で、毎月積み立てていくことでリスクを小さくしながらおカネを増やせる、と説明されました。私は、これまで投資をしたことがないので、この商品はいいかもと思ったのです。

岩城:なるほど。ドルコスト平均法で、長期投資を行うとリスクが小さくなる。これまで運用したことがない徳田さんにとって、コストを支払っても保険会社に運用を任せたほうが、安心だと思われたのですね。でも、「長期投資」や「ドルコスト平均法」だと必ずおカネを増やせるということはないですし、これで安心だと信じるのはいかがなものでしょうか。

コストに見合う成果が出るかどうかはわかりませんし、おカネの置き場所としては、iDeCoや来年の2018年から始まる「つみたてNISA 」のほうが適切です。しかも「つみたてNISA 」は、金融庁が当初から対象商品を絞り込むなど、初心者でも大きく間違わなくていい制度となっています。人任せにするのではなく、自分で判断して行動されるといいと思います。この変額保険の保険料は月額1万1018円。5つの年間保険料総額は、31万5000円にも上りますよ。これだけ支払っても、きちんと必要貯蓄額が達成できますか?

徳田さん:必要貯蓄額という考え方があるのですか? 保険の中に、少しは貯蓄が入っているわけですよね?

岩城:手取り年収入のうち、何割を貯めなければいけないのかを考える必要貯蓄率と、必要貯蓄額の考え方はとても大事です。これらを私たちは人生設計の基本公式と呼んでいます。徳田さんの必要貯蓄率と必要貯蓄額を出してみましょう。

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