ダメ会社ほど上司の「上から目線」が鼻につく 風通しを良くするために必要な5つのこと

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4つ目は、それぞれ、「社長は社長の、社員は社員の役割を明確にすること」です。社長は監督。社員は選手。社長は方針を明確かつ的確に提示した後は、大局を見て指示を出す。そして社員は懸命にグラウンドでプレーする。そういう関係といえるかもしれません。

それにもかかわらず、プレーしている選手のなかに監督が入っていって選手のやる気をそぐようなことを言う。まして、試合の邪魔をするとなれば、これは監督失格ということでしょう。

同じように、社長として、助言、アドバイスをすべきは当然でしょうが、社員の働きや努力に言わずもがなの口出しをしたり、やる気を失わせるような言動や過度の介入をしたりすると、社員は萎縮し、もの言わざる社員になっていくでしょう。そうなれば、社内の風通しが悪くなるのは当たり前です。それぞれの役割を可能なかぎり完璧に果たす。果たしつつ、お互いに横の関係、水平関係で心をひとつに合わせていくということが、社内の風通しをよくすることになるのではないかと思います。

可能なかぎり情報を共有しよう

5つ目は、「社内で可能なかぎり、情報を共有すること」。とりわけ、経営実績、あるいは、会社が今なにに取り組んでいるのか、具体的に社員や部下に話をすることです。自分は与えられている仕事は一生懸命やる。しかし、その今の自分の仕事が、会社にどれだけ貢献したのかわからない。さらには、自分の今取り組んでいる仕事が、会社全体のどの部分なのかがわからないということであれば、社員同士で会話すらできない。相談すらできない。なにより、自分の仕事に誇りが持てない。やる気が出てこないということになるでしょう。

社長は、経営結果を社員に公表することもすべきでしょう。経営幹部だけが承知しているという、いわば秘密主義は必ず、腐敗、隠蔽、そして倒産ということになります。また、社員にガラス張りで接することで、社員からも助言やチェックをしてもらえるということは、社長自身にとっても、いわば「経営の杖」を持って歩くようなものですから、自分自身の経営を進めていくうえで、転ばないことにもなります。

そのようなことをすれば、経営数字、経営内容が、外部に出てしまう。それは困ると思うかもしれませんが、およそ外部に漏れて困るような経営こそ問題です。しかし、社長が正直に社員に伝えれば、社員はかえって責任を感じて口外しないものです。秘密にするから、外部に漏れるのです。言えないから、内部告発になるのです。社員と疑心暗鬼で接しては、風通しのいい社内、風通しのいい組織をつくり上げることはできないでしょう。

「風通しのいい会社」「風通しのいい組織」をつくるための方法は、まだまだあるでしょう。もっといいやり方で、成果を上げている会社もあるでしょう。それぞれに工夫をしながら、「風通しのいい会社」にするために努力を重ねていきたい。それが、社員が心と力を合わせ、自分が立っている踏み台=会社なり組織を確実に強固なものにしていくことになるということです。

江口 克彦 一般財団法人東アジア情勢研究会理事長、台北駐日経済文化代表処顧問

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えぐち かつひこ / Katsuhiko Eguchi

1940年名古屋市生まれ。愛知県立瑞陵高校、慶應義塾大学法学部政治学科卒。政治学士、経済博士(中央大学)。参議院議員、PHP総合研究所社長、松下電器産業株式会社理事、内閣官房道州制ビジョン懇談会座長など歴任。著書多数。故・松下幸之助氏の直弟子とも側近とも言われている。23年間、ほとんど毎日、毎晩、松下氏と語り合い、直接、指導を受けた松下幸之助思想の伝承者であり、継承者。松下氏の言葉を伝えるだけでなく、その心を伝える講演、著作は定評がある。現在も講演に執筆に精力的に活動。

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