「アラフォー社員」が職場で孤立する理由 「仲間」をつくりにくい環境にある

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長年やりたかったことに着手する、夢を追い続けることもすてきなことだとは思いますが、すべてを捨ててまでやるべきことなのかは、それぞれの状況にもよるでしょう。そこで、仕事や環境をがらりと変えるのではなく、自分の夢のプチ実現として、日常の中に、非日常を取り込んでいくことをお勧めします。

ちょっとした非日常の時間をつくることで

慣例や上司の言いなりではない、自分らしい仕事のやり方を取り入れたり、定年後を見据えて勉強を始めるのもいいでしょう。今さらプロサッカー選手にはなれないけれど、フットサルの教室に行ってみる、単に仲間と楽しんでいただけの大好きなカラオケにとどまらず、プロのボイストレーナーについてみるなど、やりたかったことを実際に始めてみたり、今までまったくやったことがなかったり、興味を持つことがなかったものに触れてみるのもいいかもしれません。

少し違う世界を見ること、ちょっとした非日常の時間をつくることで、気持ちは、ずいぶん解放されます。そこで、新しい人間関係が生まれ、新しい仲間ができるかもしれません。

何かしら、充実できたり、気分転換ができるようになるとモチベーションが上がり、職場でも人間関係にも好影響を及ぼします。

孤立化することを防ぐためにも是非、行動を起こしていただければと思います。

大きな展望も大切ですが、日常の小さな変化を実感できることが何よりも大切です。自分の今を認識し、やりたかったことなどを取り入れ、嫌なことは少しずつ排除していく、という日々の積み重ねが、極端な衝動に駆られることを防ぎます。もちろん、場合によっては、生き方の方向性を思い切って変えることも必要かと思います。しかし、その場合は、単に感情に振り回されることがないよう、とことん自分と向き合う時間が必要です。

アラフォーの時期を有意義なものにするためには、「今さら」と思わずに、日頃から、いろいろな人との接点を持つことが必要です。大切なことは人それぞれ違い、自分探しは永遠に続きますが、さまざまな考え方や経験は、きっと大きな財産になることと思います。

人生の午後と呼ばれる40歳以降が、陽だまりのように明るく暖かい時間となりますように。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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