転勤でヘコむだけの人とバネにできる人の差 新しい環境でワンランク上の仕事を習得可能

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新人時代は仕事を覚える大事な時期。親や友達から離れて、アフター5も休日も、社内の人間とだけどっぷりつきあう。それが仕事を覚える早道というわけだ。だから、かつては新人全員に一定期間の寮生活を強いる企業が多かった。もっとも集団生活に馴染めない新人が増え、そうした制度はすっかり影を潜めている。

仕事を覚えるだけでなく、知らない地域での1人暮らしは自分を鍛えるチャンス。特に自宅暮らししか経験がない人は、「転勤」を、そんな機会としてとらえてほしい。

一生のつきあいになりそうな先輩と出会えた」(流通・27歳)

「本社に戻って10年近くたつけど、いまだにその地域の人たちに顔が利く。担当部門が変わっても、仕事で役立つことは意外に多い」(運輸・33歳)

というように転勤終了後も、転勤時代の人脈を継続させている人が圧倒的だ。「転勤が多い職場だけど、転勤する都度、地元でのツーリング仲間ができたのはラッキー」(IT・43歳)と、前向きに語っているように、趣味の交友関係の幅を広げた人もいる。

自立した大人になるチャンスと考える

転勤で広がる人脈には2パターンある。1つは、同じ東京からの転勤族同士。お互い寂しいので先輩や上司だけでなく、取引先とも急速に仲良くなることが多い。海外赴任では、よくあるパターンだ。特に苦労が多い新興国や発展途上国では、日本人会の結束が固く、その関係は帰国後も続く。それが結果として円滑な取引に結び付くことが多い。

もう1つは地元のネットワークからの人脈。具体的には、転勤がない地域限定社員、地元企業、海外ならローカルスタッフや取引先などだ。企業が、わざわざ地方や海外に支店、営業所、工場などを設け、東京から人を送っている理由の1つは、地元との関係を強固にするため。だから、転勤したら、当然、地元ネットワークづくりに挑戦したいところだが、これはなかなか難しい。

閉鎖的な地域で誰も声をかけてくれない。本気で会社を辞めようかと思った時期もあったが、半年くらいしてから徐々に仲良くなり、最後は涙のお別れでした。あきらめないでよかった」と話すのは、前出の運輸業界勤務の男性。

同様に、「小さな都市だったので、スーパーで買い物していても、飲み屋に行っても取引先に会う。中でも、初対面でいきなり『常識がない』と怒られた会社の部長に出くわすことが苦痛でたまりませんでした。でも、あるとき、雪で車が動けなくなったときに、たまたま通りがかった、その部長が、一生懸命押してくれたことをきっかけに一気に地元の人たちと親しくなり、毎日が楽しくなりました」(金融・29歳)と、話す転勤経験者もいる。

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