今年の就職活動で目立ったのは、就活生が「働き方」を企業選びの大きな基準にしていたことだ。特に、「残業時間の長さ」など労働時間の条件については、かなり慎重に吟味していたように思える。これから就活をする大学3年生や大学院1年生にとっても同様だろう。
20代後半の”年間の総労働時間”でランキング
9月28日に「最新版!『月額給料が高い業界』ランキング」 では、厚生労働省が発表している、賃金構造基本統計調査を使い、業界ごとの月収の大小について、ランキング形式で解説した。今回は「労働時間」について、業界ごとの特徴を探っていきたい。
今回、残業時間ではなく労働時間を基準にしたのは、理由がある。残業が多い少ないという前に、所定労働時間(拘束時間)も企業によって異なっている。残業が少なくても、所定労働時間が法定と同じの8時間だったり、休みが週1日だけの会社もある。そうしたことを考慮すれば、残業時間に所定内実労働時間を加えた、トータルの”総労働時間”で判断したほうがいいだろう。
労働時間に関しては年換算している。賃金構造基本統計は毎年6月の状況を調査対象にしているため、月ごとの休日数や繁閑期の違いによってトータルの数字は実態とずれている可能性があるものの、業界ごとの傾向がわかるはずだ。全体の平均値は2172時間(所定内実労働時間が月163時間、残業時間が月23時間)である。
また、賃金構造基本統計調査の数字を基に年収を推計しているが、同時に労働時間で割って、時給も算出している。賞与も含んだ金額になるが、各業界の労働単価の水準を参考までにご覧いただきたい。
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