気が弱くたって強引な保険セールスは断れる 相手に「借り」を作ったと思ってはいけない

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また「担当者がお客様と会って手続きをする決まりがある」といった設明にも「海外駐在の人とはどうしているのですか?」などと反論してみましょう。「約款や重要事項説明書に明記されているのでしょうか?」と尋ねる手もあります。

会社の都合で、解約防止のために即応しないことになっている可能性も考えられますから、「契約者の身になって対応してもらいたい。お互い、時間を大事にしましょう」と言ってみていいのです。

解約の切り出し方は「今までありがとうございました」

「付き合い」で加入している契約について、切り出し方に迷う向きは「今までありがとうございました」と言うといいでしょう。引き止められる前に「もう終わったこと」だと宣言してしまうのです。

現実問題として、解約が契約後1~2年の間に行われると、営業担当者や代理店は、保険会社からペナルティとして報酬の返還を求められることがあります。

そのため「2年間は頑張って(契約を)続けましょう」などと案内する担当者もいるようです。業務上の自己都合が優先されているのですから、「付き合いに値しない人物」と見限るきっかけにしていいはずです。逆に5~6年経過している場合は「十分に相手も報われているのだ」と考えたらいいわけです。

「対面セールスに弱い人は、ここまで書かれているような一言を明言できないから苦労しているのだ」と感じる向きもあるかもしれません。

そんな人の場合には、「付き添い」を頼むとよいと思います。商品販売にかかわっていないファイナンシャルプランナーの中には、銀行の窓口などで保険を勧められているお客様に同行し、相対的に手数料が高い商品の購入を未然に防ぐような役割を果たしている人もいます。

もとより、商品の販売実績に応じて保険会社から報酬を受け取る営業担当者や代理店は、顧客と「利益相反」の関係にあります。対面でのセールスに弱い人は、相談や付き添いサービスを有料で提供している専門家の利用を、検討するとよいと思います。保険会社からではなく顧客から報酬を受け取る人を味方につけるイメージです。筆者自身、有料相談を行っているので、割り引いて受け止めていただいて構いませんが、一考に値するのではないでしょうか。

後田 亨 オフィスバトン「保険相談室」代表

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うしろだ とおる / Tooru Ushiroda

1959年、長崎県出身。長崎大学経済学部卒。1995年、アパレルメーカーから日本生命へ転職。営業職、複数の保険会社の商品を扱う代理店を経て2012年に独立。現在はオフィスバトン「保険相談室」代表として執筆やセミナー講師、個人向け有料相談を手掛ける。『「保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由』(青春出版社)ほか、著書・メディア掲載多数。

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