UUUM社長「ユーチューバーの世界を広げたい」 どうやって人気プレーヤーを輩出するのか
――ユーチューブという、ひとつのプラットフォームへの依存度が高い事業構造はリスクにならないか。
おっしゃるとおり、僕らの最大の取引先はユーチューブであり、グーグルだ。ただ、ユーチューブを取り巻く環境が大きく変化するかというと、それは考えにくいと思う。ネットのサービスは10年で新しいものに置き換わる、みたいによく言われるが、ユーチューブは2006年にできているので、もう10年以上経っていて、世界中で定着した感がある。今後も僕らにとって、事業展開の核であり続けることは間違いないだろう。
一方、フェイスブックなどSNSの世界もそうだが、これからは完全に置き換わるサービスが現れるというより、機能を切り出したような、特化型のサービスが出てくる時代になるのではないか。たとえば動画の業界でも、このところ「料理動画」の専門メディアが発展している。
これはユーチューバーにネガティブな影響を及ぼすものではない。料理を軸に活動しているユーチューバーにとっては、露出できる先が増えるかもしれない。会社として所属ユーチューバーに「ユーチューブ以外やるな」とはまったく言っていないので、いろいろなチャンスが派生してくるのではないかと、前向きにとらえている。
ユーチューバーを、もう一段浸透させていく
――昨年くらいからフェイスブックやLINEのタイムラインでも頻繁に動画を目にするようになった。動画や動画広告を取り巻く環境変化をどう感じているか。
世の中の複雑さが増し、流通している情報量も多くなるにつれ、あらゆる情報を文字や画像だけで説明し理解してもらうのが困難になった。そこにテクノロジーの進化が加わって、「動画ってやっぱりいいよね」という世界になってきた。
もう少し技術が発展したところにVR(仮想現実)やAR(拡張現実)があるが、これは視聴環境やデバイスが限られているので、まだ普及に時間がかかる。そういう意味では、今、動画は一般的な表現の「最高峰」にあるといえる。企業が広告の手段として活用するのも、当たり前の流れになってきた。すべてが追い風だ。
――課題に感じていることはあるか。
忙しすぎることくらいか(笑)。僕自身の動き方として、次のビジネスについて考え、行動する時間を多く取っているが、一方で、所属ユーチューバーたちと話す時間は減らしていない。アイデアは現場にいくつも落ちているので。
あとは、「ユーチューバーとは何者か」というのを、もう一段浸透させていくという課題があるだろう。小学生の”将来就きたい職業”でトップになったりはしているが、一般の大人からすると、「ユーチューバーってのがいるみたいだね」という程度の認識だと思う。ネットを舞台にこれだけ大活躍する人が生まれている、僕らみたいな会社が生まれて上場するまでになっている、ということをアピールしていきたい。
同じような業態の会社が国内でちらほら生まれている。競合になるとしても、業界を大きくするという意味では連合軍だ。そういう会社が出てくるのは、僕らにとってもプラス。一緒になってユーチューバーの世界を盛り上げたい。
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