UUUM社長「ユーチューバーの世界を広げたい」 どうやって人気プレーヤーを輩出するのか
――ウームがマネジメントしているユーチューバーは、従来の芸能人、タレントとどのような点が違うのか。
ユーチューバーは番組やイベントに出演するだけではなく、自分でネタを考え、撮影・編集までやる。演者だけでなくプロデューサーもディレクターも兼任して、コンテンツを全部ひとりで作れるのが最大の特徴だ。
またユーチューバーは、24時間365日、好きなタイミングで好きな動画を上げられる。世の中に出せるコンテンツの量にも制限がない。そういった活動の場を持っている点は、テレビやイベント、雑誌などを活動の主軸とするタレントとは大きく違う。
そういう人たちをマネジメントする当社の仕事も、単純にスケジュール調整をしたり、撮影現場に同行したりというだけでなく、一緒にネタを探すところから始まるし、時にはうちで編集を請け負うこともある。彼らユーチューバーという生態系に寄り添う、従来の芸能事務所とは違った機能を持っている。
ユーチューバーが面白いと思い、飛び込んだ
――従来のタレント養成と異なる特徴は?
普通のタレントを育てたことがなく、明確な違いはわからない(笑)。ユーチューバーの場合、まず自分で動画を作れるようになるのがスタートライン。制作の基礎や、ゲーム実況の機材のつなぎ込み方など、当社側でeラーニング(インターネット学習システム)のあらゆる科目を用意している。また、著作権などの権利侵害に関する教育を徹底し、商業利用して問題ない画像、音源の素材も共有している。
基礎ができたら、次はいかに面白いコンテンツを作っていけるかだ。ユーチューブは、どれだけの人が見ているか、どれだけの時間見られているかなど視聴データを簡単に分析できる。いくら本人や僕らが「面白い!」と思った動画でも、再生回数が3回だったら世の中には意味のない動画だ。
こうやってオープンな場で評価され続けることは、裏を返せば、短いサイクルで内容を見直して、次の制作に生かせるということ。そういう環境的な利点をしっかり生かし、一緒に試行錯誤を繰り返すのも僕らの仕事だ。
――創業から丸4年。最初から今のようなビジネスモデルを描いていたのか。
「描いていた」と格好よく言いたいところだが、設立当初は明確な考えがあったわけではなく、ただユーチューバーの世界が面白いと思って飛び込んだ。すると、すぐに立ち上がってきたのが(今の主力事業になっている)アドセンスと、企業から直接受けるタイアップ動画広告。早い段階でいいチャンスをつかめたと思っている。
創業からまもなく、2014年ごろから世間で「動画元年」といわれはじめたが、その時点でユーチューバーはすでに、動画を作れる、トラフィックを作れるという、かなり進んだところにいて。だから動画視聴者だけでなく、新しい広告宣伝の手法を模索していた企業からお話をいただく機会が自然に増えていった。
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