大阪ソースダイバーに学ぶソース文化の神髄 「地ソース」から「二度漬け禁止」まで
と~きょ~もんは、だいたいがお好み焼をあまり食べないから、ようわからんやろうけど、お好み焼とひとくくりにされていても、そのメニュー、味や焼き方は店によって大きく違う。紹介されているキタの三店だけをながめても、その違いは歴然だ。
こだわりのソースがたっぷり
『美舟』は基本が自分で焼く「自分焼き」のお店だが、小皿もお箸も出さないというのが、その矜持を示している。そうなのである、お好み焼はテコで食らうのが正しいのだ。『きじ本店』は、オーソドックスなお好み焼から「エビポテト」といった創作物、そして独特の作り方をする「もだん焼」(お好み焼にそばをいれたもの)まで多彩なメニュー。そして『がるぼ』には、イカ、路地のソウルフードと言われることもある油かす(牛の腸をじっくりと揚げたもの)、そして牛スジがはいった名物「がるぼ焼」がある、などなど。
もちろん、どのお店でも、こだわりのソースがたっぷりかけられている。読みながら写真を眺めてるだけで、よだれが出てくる。はしたないと思うなかれ、ほとんどの大阪人は同じようなパブロフの犬体験を示すはずだ。
第2章の『ソースメーカーの工場をたずねて』では、大阪ソース界の「元祖的存在」として君臨する『イカリソース』、地ソース界としては大手の『大黒ソース』、そして、小さなメーカーである『ヘルメスソース』、『ヒシウメソース』が紹介される。イカリソースは自動化された近代的な工場だが、ヘルメスソースやヒシウメソースになると、ソースを手でペットボトルに詰めているような小商いの家内工業だ。どうです? ええ感じや、思わはりませんか。
と~きょ~もんは、そうなのかい、大阪あたりにはたくさんソースメーカーがあるんだね、とか、思うだけかもしれん。が、そんなに冷静にしていられるのはここまでだ。第1章と第2章の間のインターミッションでは『関西地ソースカタログ』として、大阪・京都・神戸・和歌山の、なんと21の地ソースメーカーからの33品が紹介されている。これだけ集めてでも全部を網羅してないというのがすごい。
おじきと曽っちゃん二人の「利きソース」対談もおもろい。うらやましいなぁ、そんな機会めったにないし、呼んでくれたらよかったのに。それぞれの取り寄せ情報の紹介もしてあるけれど、ちっさいメーカーが多いから、「通販での入手方法」に「TEL注文でお取り寄せ可」のところがいっぱいある。この時代になっても、ネット通販などを積極的に展開などしていないのだ。
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