大阪ソースダイバーに学ぶソース文化の神髄

「地ソース」から「二度漬け禁止」まで

ソースが映し出す、下町の味の記憶と人間味あふれる情景とは?(撮影:風間仁一郎)

大阪人はソースがお好き?

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あまり知られていないかもしれないが、大阪人はソース好きだ。東京では中濃ソースが一般的らしいが、大阪の家庭ではとんかつソースとウスターソースが常備されているのが普通である。

天ぷらにだってウスターソースをかける。少し古い、たぶん10年ほど前のデータだが、野菜と魚の天ぷらソースで食べる人は、関東では1%以下であるのに対して、近畿では45%もいる。アジとかイカとかタマネギの天ぷらは、ソースで食べるのがいっちゃんうまいのだ。だまされたと思って、いっぺんやってみなはれ。

昭和35年生まれ、わたしとほぼ同世代の『下町のエリート』堀埜のおじきが、『まんぷくライター』曽っちゃんの取材力を巻き添えにして、大阪におけるソースの輝かしき地位と歴史をあますことなく書いたのがこの本だ。

“ ソースが最も輝いていたのは「昭和のあの頃の下町」である。”

“ 下町的には、ソースは最初から「ハイカラでおいしいもの」として普及する運命にあり、ゆえに「なんでもソースをかけることが贅沢」とされる時代があったわけです。”

というのが堀埜のおじきの主張だ。場所は違うが、同じ時代に大阪の下町に育った自分にはよくわかる。おじきは、ソース、コーヒー、コーラを3大黒褐色液(ダークリキッド)とまとめて論じていく。

ダークリキッド、どれも、子どもにとっては必ずしも美味しいものではない。しかし、その3大黒褐色液をマスターすることは、大人になることであり、同時に、ハイカラになれることでもあった。本当にそういう時代があったのだ。ただ、世の中は変わりつつある。天ぷらにソースをかける人の数も減少傾向にあるような気がしないでもない。

大阪には、ソースがなくてはお話にならない食べ物がある。ご存じお好み焼だ。なので、ペーソスあふれる『ソースから眺める、あの頃の下町』と題された序章に次ぐ第一章は、『お好み焼な街を往く』しかありえない。キタ、ミナミといった大阪の繁華街から、今里、布施などという大阪人以外にはどこにあるやらわからん下町、そして、京都・神戸と、14の街の32のお好み焼屋さんが紹介されている。

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