英国からのネット投資は、欧州全体からの投資より多い(フランスが1兆円程度、ルクセンブルクが2兆円強のマイナスであるため)。ルクセンブルクからのネット投資は経常的にマイナスだが、12年の初め頃から絶対額が増えている。
欧州からの資金流入が11年8月以降減少
短期債ネット投資は、欧州からも英国からも、11年9月以降は減少に転じた。これはユーロ危機が一服したことを反映している。欧州からのネット投資はその後停滞が続き、13年になって急減した。英国からのネット投資も13年から減少した。最近時点の欧州からのネット投資は、11年8月頃のピークに比べると、2兆~3兆円減少している。なお、欧州からの投資が減少に転じた後も、英国からの投資はほぼ一定値に留まっていることが注目される。
このように、欧州からの資金流入が11年下期から減ったことが、円高圧力が軽減した最大の要因と考えられる。
ここで、欧州からの資金流入の減少への転換(11年8月頃)は、短期債全体への流入減(12年9月以降)に比べて、かなり早い時点で発生していることに注意が必要だ。欧州からの資金の流れの変化が引き金となって、それ以外の地域からの資金の流れに変化が生じたのだろう。
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