外国人患者が来院した時にどう対処すべきか 文化の違いを知らなければ混乱必至?
2016年の訪日外国人は2400万人を超えた。政府は観光施策を強化し、東京五輪・パラリンピックが開催される20年には、4000万人までの拡大を目指している。観光庁は訪日外国人の4%が何らかの疾病になると推計しており、医療機関にはこれまでにない対応が求められることになる。
外国人患者の急増により、地域医療が機能しなくなる懸念もある。旅行保険に未加入であった場合などによる未収金や、異文化への理解が足りないことによる医事紛争のリスクも潜んでいる。
アジアでは医療の前払い制は珍しくない
「海外では、お金の切れ目が医療の切れ目だったりします。そのような医療文化や習慣の人たちに医療を提供することを真剣に考えなくてはいけません」――。国際医療マネジメントが専門の国際医療福祉大大学院の岡村世里奈准教授は、こう話す。
アジアでは医療の前払い制は珍しくない。医療機関を受診すると窓口で、どの程度の医療費がかかるかを説明されるのが一般的で、検査が必要な場合には、事前にデポジットという形でお金を徴収したりすることもある。もし、訪日外国人に「念のため」の検査をした場合には十分に説明しておかないと、勝手に検査をしたなどと、後々トラブルになることもある。
岡村准教授は、講演会やセミナーで全国に呼ばれる。そこで訪日外国人対応策について話す時に用いるのは、外国人の目に映る日本の医療は、高級すし店だということだ。岡村准教授は、「高級すし店で“お任せ”が日本の医療で、海外は回転ずしみたいに、ブルーのお皿は何百円などと分かりやすいですよねと説明したりします」と言う。
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