中国人の「爆買い」が急速に縮んでいる理由 訪日客の目的は「買い物から体験へ」

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かつての勢いが薄れてきています(撮影:梅谷 秀司)

2016年の訪日外国人が6月に1000万人を超えました。1000万人突破は4年連続で、2015年よりも1カ月以上早い過去最速のペースです。このスピード感で伸び続ければ、昨年の年間1970万人を超え、2000万人の大台に乗ることも十分あり得るでしょう。

一方で、イギリスのEU離脱に伴う世界経済の下振れリスク、それに伴う円高の進行という訪日外国人の減少を示唆する要因があるのも事実です。

観光客数をさらに増やすためにはリピーター客を狙え!

2015年の訪日観光客のうち、中国、韓国、台湾、タイなど東アジアの占める割合は72%に達します。中でも今後、とくに伸びしろが大きいのは「中国人のリピーター客とタイ人」と私は考えています。

たとえば、昨年訪れた中国人訪日観光客の63%が日本に初めて来た人たちです。一方、台湾や香港だと、初めて日本に訪れた旅行者は2割程度。ほとんどが2回以上のリピーターです。つまり、中国からのリピーター客を増やせば、まだまだ観光客の総数が伸びる可能性が高いことを示しています。

また、先日バンコクに行きましたが、タイ人の日本への意識が急激に高まっていることを感じました。タイ人の生活の中に"日本料理"が浸透していたからです。約2500店舗以上の日本食レストランがあり、一度は日本に行ってみたいと考えるタイ人がとても多いという話をしばしば耳にしました。今年4月の訪日タイ人観光客は13万1000人(前年同月比11.1%増)で、単月として過去最高を記録したことからも、タイ人の伸びしろが大きいことがうかがい知れます。

今後、タイだけでなくシンガポールを含むアセアンからの訪日外国人は着実に増えると私は予想します。しかし、この訪日観光客を受け入れていく努力を日本側がしなければ、観光客は他の国に流れていくでしょう。中国人リピーター客を増やすために知っておくべきなのは、彼らの訪日目的、そして訪日した際の行動が以前とは大きく変化しているということです。

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