戦力orお荷物? ワーキングマザーのいま

上司は、会社は、政府はどう向き合うべきか

東京・板橋区に住む堀田文奈さん(仮名、31)は、中小の化学メーカーに勤めている。一つ年下の夫と結婚、1歳と2歳の子どもを育てながら働く、「ワーキングマザー」(ワーママ)だ。

もとは総合職として貿易部門に配属されたが、上司に妊娠を報告すると、「残業できない」「海外に行けない」のを理由に、一般職への異動を告げられた。やむなく受け入れ、今は新人女性から指示を受ける毎日。「休みを取ると嫌みを言われる。もう3人目は産めない」(堀田さん)。会社の行為は法的にも限りなくクロに近い。濃淡の差はあれ、働く母親は一定のハンデを背負う。

晩婚化や不況、女性の社会進出もあり、少子化は止まらない。このままなら2060年に日本は人口8000万の国になる。

女性が育児期の30代に離職するのを示す「M字カーブ」は、現在も構図が鮮明だ。第1子出産後も仕事を続けるのは、全体の38%でしかなく、6割強が会社を辞めている。その理由としてトップに挙がるのが、「家事・育児に専念するため自発的に辞めた」である。

もっとも法制度を見るかぎり、育児をめぐる環境は前進している。育児・介護休業法の改正で、育児休業は1年、保育園が見つからなければ1年半休めるようになった。復帰後の時短も3歳まで認められる。問題は個々の現場における運用だ。多くのワーママは職場に育児の話題を持ち込むのを好まない。

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