戦力orお荷物? ワーキングマザーのいま 上司は、会社は、政府はどう向き合うべきか

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むろん仕事も育児も完璧にこなすスーパーウーマンもいる。リクルートエグゼクティブエージェントの森本千賀子さん(43)は毎朝3時起き。日中は生産性をひたすら追求、休息よりエネルギーチャージを優先し、週末も習い事ざんまいという。「20代で突き抜けた実績を作れば自分がブランドになる」(森本さん)。

森本さんのようなケースは例外だろう。多くの女性は仕事と育児の両立に苦心しているのが現実なのだ。

特別待遇はありえぬ 両立する覚悟も必要

一方で、働く女性だけでなく、受け入れる企業側にも言い分がある。

子どもの発熱など突発的な事態を除けば、ワーママだからといって特別待遇はありえない。「復職しても当初は4時間で帰る人が多く、そういう人には外向けの仕事など任せられない。それで『私のモチベーションが……』と言われても困る」(上場メーカー部長)

企業と働く母親、かみ合わない互いの言い分。いろいろな制約がある中、近年は在宅勤務のような、柔軟な働き方も増えつつある。

P&Gジャパンの場合、入社1年以上の社員は、週1度の在宅勤務を選択できる。世界中に拠点があるため、PCチャットを使った在宅での会議も可能だ。同社のママ社員は「通勤や身支度がいらない分、1時間半、余った時間を育児と仕事に回せるようになった」と効用を説く。

ほかにも、男性の育休推進や長時間労働の是正、待機児童解消など、企業や国がやるべきことは多い。安倍晋三首相は「3年育休」を掲げたが、ワーママから「キャリアの空白が長引くだけ」と、思わぬ反発を買った。ただ女性政策を成長戦略に位置づけたことへの評価は高く、具体化と確実な実行が望まれよう。

企業にとっても、せっかく投資した女性社員のキャリアが途絶えるのは、大きな損失といえる。働く母親は消費も活発で経済効果も大きい。日本が再び成長するには女性活用こそ不可欠だ。今回の特集では、組織のトップから現場の社員まで、奮闘するワーキングマザーを取り上げる。

(週刊東洋経済2013年8月31日号)

週刊東洋経済編集部
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