日本の「男子ゴルフ」が女子より苦戦する理由 世界で勝つのが難しい根本的な原因とは?

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最もプロに近い15~18歳の部では、男子のトップ10(6位が3人、9位が6人いたので計14人)は、日本の河本力(6位)以外は米国、オーストラリア勢で、うち3人はアジア系の名前だった。

女子の15~18歳はトップ10のうち、日本勢は優勝した大林奈央ら日本選手団に加わっている代表選手のほか、個人参加を含めて4人だった。台湾は3人、フィリピンの日系1人とアジア系が8人。残りはカナダ、コロンビアだが、カナダは中国系のようで、ほぼアジア系が占めたといっていい。

同じ週に全米女子オープンが開催されていて、現地のゴルフ場ではいつもテレビで流れていた。驚いたのは韓国のアマ選手、チェ・ヘジンがトップに立っていたことだった。日本に帰ってきて結果を見たら優勝は韓国のパク・ソンヒョンだった。トップ5に入った7人のうち、韓国5人に中国1人。こちらもアジア勢独占だ。

米国にいる間に溜まっていた新聞に目を通していたら、前週の欧州女子ツアーのタイ選手権で地元タイのアマ選手、アッタヤ・ティティクルがたったの14歳4カ月でツアー最年少優勝を果たしていて、こちらにも驚かされた。世界中、特に女子はプロもアマもアジア系が席巻している。

世界ジュニアから読むゴルフ界の未来

世界ジュニアは今後のゴルフ界を予想するいい機会になる。2011年の頃に強かったのは韓国勢だ。ここ3、4年は台湾やタイの選手が力を付けてきている。女子ではアジア系が圧倒。だが、男子は年齢が上がるにしたがって米国など白人系が上位に多くなる。大きな要因として、井上プロが挙げるのは「体格の問題と競技人口の母数」だ。

実は女子の場合、アジア系と白人系とを比較して、その体格差は男子ほど大きくない。ゴルフを始める年齢はアジア系の方が早いので、子供の年代ではアジア系が強い。

年齢が上がるにしたがって、ゴルフを始める白人系も多くなってくるが、全体の競技人口自体が男子ほど多くないため、その中に占める比率が高いアジア系の優位は動かない。13~14歳、15~18歳の日本選手も「飛距離では勝っていた」という選手が多かった。

ただ、こうした状況もやがて変わって行く可能性はある。サンディエゴの宿舎に米国の高校生と思しき女子野球かソフトボールのチームが滞在していたが、筆者と同じぐらいの180センチ近い身長で骨も太く、立派な体格の選手が多かった。

井上プロは「あのぐらいの体格の選手がゴルフを選択するようになったら、女子もやはり米国はじめ白人系の選手が上位に増えると思う。同じ技術なら体格の大きい方がゴルフではより有利に働きますから」と指摘する。今のところ、米国の女子で体格のいいアスリートは、ゴルフ以外のスポーツに流れているのかもしれない。

男子はというと、まだまだアジア系は通用していない。米国では様々なスポーツを経て最終的にゴルファーになっていく過程をたどるのが一般的。専念するスポーツとしてゴルフを選ぶのにかかわってくる要素としては、大学での奨学金が大きいという。

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