今の米国では私立大学に通うには年間7万ドルほどかかるそうだ。スポーツでの奨学金を得て大学に通うために中学、高校ぐらいからゴルフ競技へに本格的に参入してくる選手が多い。
年少のころはアジア系が強くても、10代に入るとアジア系と白人系で体格差が開いてくるので、次第に白人系が優位になってくる。ここ数年の世界ジュニアでも、小学校低学年までは日本勢も対等に戦っているが、小学校高学年の年齢からは上位に入るのが難しくなっている。
ゴルフ「日本男子」が世界と戦うためには
では、日本の男子は、どう世界と戦っていけばいいのだろうか。井上プロは次のように分析する。「松山英樹選手のやり方がまさに正しい方向だと思います。体を鍛えることで体格差を埋めていく。男子のトッププロとなると技術的な差は出にくい。あとは体力やメンタル面が大事になってきます」。
日本のゴルフでは、ジュニアの競技人口の男女比は2.5対1ほど(日本ゴルフ協会のジュニア会員登録数)だが、会員登録していない人も含めた実質は、女子プロ人気もあって半々ぐらいといわれている。これが米国となると、正確な数字はつかめなかったが、圧倒的に男子の比率が高いという。日本では男子ジュニアの競技人口をいかに増やしていくかも今後の課題になる。
今後、北米で女子ゴルフの競技人口が急増し、体格に優れた選手が大量に入ってくるような地殻変動のない限り、アジア系が全体として世界のゴルフをリードしていく構図は今後も変わらないだろう。世界ジュニアでの成績を見ていると、この流れはむしろ加速するかもしれないとも思えてくる。特にタイはじめ東南アジアが今後の台風の目になりそうだ。
一方、男子の場合、体格差を埋めるのに苦労することが多いという現状がある。やはりこちらにも変化はなさそうだ。やはり、見習うべきは松山だ。体格によるナチュラルなパワー差を、体を鍛え上げることで埋めつつ、技術を磨く。そのようにして、サイズで引けを取らないように高めた「個」の力で世界と戦うしかないようだ。
(文中一部敬称略)
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