今年初めてのゴルフに行った。車を手離してからもう10年ほどになる。ゴルフに行くときは、たいていはゴルフ場が出している最寄り駅からの「クラブバス」を利用する。今回のゴルフ場もクラブバスがあったので利用した。
土曜日だったので、25人ほど乗れるマイクロバスはいっぱい。補助席まで使った。私の前に座ったコンペと思しき3人組の1人が「早く着いたので、駅の周りを見てきました。けっこう飲み屋あるみたいです」と先輩らしき人に報告している。クラブバスだと、アルコールが飲める利点がある。
この連載でたびたび書いてきているのが、ゴルフ人口の減少問題。「ゴルフの2015年問題」という言葉を覚えている方も多いと思うが、団塊の世代が定年退職を迎えて、接待目的などのいわゆる「仕事」にからむゴルフがなくなり、ゴルフ場、そしてゴルフから、人波が遠ざかっていくのではと危惧されていた。ゴルフ業界は戦々恐々としていたが、2016年の様子を見てもあまり影響はなかったと肌では感じている。定年退職してゴルフを満喫している方も多いのではないだろうか。
「車離れ」とゴルフ人口減の関係
ゴルフ場は、ご存じのとおり、都会の真ん中にはほとんどなくて、郊外にある。以前はゴルフ場は車で行くものだった。車でしかアクセスできないようなところも多い。都市部に住んでいる場合は「車を持っていなければゴルフに行けない」という印象があり、それが「車がないとゴルフができない」というイメージにつながっているかもしれない。
クラブバスを利用できるゴルフ場が増えれば、そうした車を持たない人も取り込める期待が持てる。ゴルフ場にとってはバス購入や人件費がかかるが、車を持たない人が増えているのは確かなことだ。
ゴルフ人口減少の要因の1つに挙げられているのが「車離れ」だとされる。「国土交通白書2013」をネットで見てみた。「自動車保有率」「自動車運転免許保有率」などのデータがあった。それによると、2011年の免許保有率は20代で81.8%、30代では90%強と、高い数字なのだが、1996年から少しずつ免許保有率が下がってきている。自動車保有率では、20代、30代が1999年から10年間で減ってきている。「若者の車離れ」は確実に進んでいる。ゴルフ業界が危惧するのも、やはりうなずける話だ。
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