福岡・岩田屋三越が今こそ「農業」に挑むワケ

「福岡三越」屋上にミツバチ15万匹の養蜂場

福岡三越屋上でミツバチの世話をする社員ら。養蜂技術は蜂蜜専門店「ラベイユ」のスタッフ(右)が指導している

福岡市・天神で岩田屋本店と福岡三越の2百貨店を運営する「岩田屋三越」(福岡市)が、農業に取り組んでいる。都心のビル屋上を生かしてミツバチを飼育する「都市養蜂」と、棚田でコメを作る稲作。同好会や業者への委託事業ではなく、社員自ら“生産者”となって汗を流す。蜂蜜とコメは今秋販売する計画だが、目指す収穫はそれだけではない。

地上55メートル、百貨店屋上の養蜂場

当記事はqBiz 西日本新聞経済電子版の提供記事です

養蜂場は地上55メートルの福岡三越(9階建て)の屋上にある。博多港や都市高速を含む市街地一帯を見渡せる北側の一角。3段重ねの巣箱が5つ並び、「ブーン……」とうなる無数の羽音が聞こえる。飼育しているセイヨウミツバチは、推計15万匹に上る。

屋上に緑地はない。ハチが目指すのは巣箱から3キロ圏内の街路樹や公園緑地だ。通り沿いにある木立や花壇のほか、舞鶴公園や西公園、大濠公園、市植物園まで飛んでいき、蜜を集めるという。

福岡三越屋上の養蜂場で、巣箱の巣板に群がるミツバチ。防護服姿で間近に眺めると、その“働き者ぶり”がよく分かる

6月のある日。午前中、養蜂場では男女4人がハチの世話をしていた。コンクリートの床に日差しが注ぎ、ネット帽に白い防護服姿の4人に反射する。

無数のハチが飛び交う中で作業するのは、3月に地下食品売り場の社員らで結成した「福岡天神みつばち部」(10人)の部員たちだ。5日に1度、巣箱を開いてハチの健康状態や蜜の集まり具合を調べ、蜜がたまる巣板(1箱に9枚)を丁寧に手入れする。

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