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製造業の「国内回帰」は一時的現象にすぎない 長期で見て、内需が弱く海外生産比率は拡大

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  • 末廣 徹 大和証券 チーフエコノミスト
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内閣府の「企業行動に関するアンケート調査」(2016年度調査、製造業)によると、海外現地生産を行う製造業(上場企業)の割合は2013年度をピークに2年連続で低下し、2015年度(実績)は2006年度以来の水準まで低下した。今後は65%程度で横ばいの推移が予想されている。

一方、製造業(上場企業)の海外現地生産比率は2013~2015年度(実績)において横ばい圏内を維持している。また、5年後の見通しは23.5%と、水準は上昇する見込みである。

企業の行動は2極化、空洞化は進む

現地生産を行う企業数の比率が低下している一方で、現地生産比率が高水準を維持しているということは、企業によって対応が2極化していることを示している。

経産省やJETROの調査結果が示すように、おそらく人件費の高騰などを理由に中国からの撤退などによって、海外現地生産を行う企業が、数の比率のうえでは減っている。しかし、それ以上に海外現地生産比率を引き上げている企業があるため、海外生産比率は今後も上昇する見込みとなっている。これまでの海外生産の増加によって、海外現地法人のノウハウも蓄積されており、一段と空洞化が進みやすくなっているのだろう。

足元の国内回帰の動きが一時的かつ局所的で、消極的な動きであることや、国内の設備投資の鈍さを勘案すれば、日本の海外生産比率の上昇(空洞化)は今後も進む可能性が高いだろう。

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