製造業の「国内回帰」は一時的現象にすぎない

長期で見て、内需が弱く海外生産比率は拡大

海外への「ものづくり」の移管は進んでいる。写真は日本の自動車部品メーカーのメキシコ工場(撮影:木皮透庸)

2016年度の日本の実質GDP(国内総生産)成長率はプラス1.2%と、内閣府が試算する潜在成長率(プラス0.8%)を上回った。しかし、内容を見ると個人消費や設備投資などの内需の寄与度はプラス0.5%ポイントにとどまり、外需(輸出マイナス輸入)がプラス0.8%というバランス。人口減少社会における内需の弱さが依然として日本経済の課題である。

輸出の伸びは世界景気次第

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経済の牽引役となっている外需についても、そろそろピークをつけて反落するとの見方が強くなってきた。

昨年度の外需の強さは輸出の増加によってもたらされてきたが、日本からの輸出のみが好調だったわけではない。日本の輸出数量と世界全体の輸出数量の推移を比較すると、ほぼパラレルな動きだ。世界的な景気回復の恩恵を受けていたと考えたほうがよいだろう。

OECD(経済協力開発機構)が各国の経済指標(生産など)を用いて作成している景気先行指数の推移と、世界全体の輸出数量は連動してきた。そして、景気先行指数は5カ月連続で伸び率が鈍化している。2017年度は外需が伸び悩む可能性が高いだろう。

長期的には人口減少により、国内で「ものづくり」をしても、大きな売り上げの伸びは見込めない。日本企業の海外現地生産比率は上昇傾向にある。輸出を伸びにくくする構造変化が進んでいることも、外需主導の経済成長に過度な期待をかけることができない要因である。

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