製造業の「国内回帰」は一時的現象にすぎない 長期で見て、内需が弱く海外生産比率は拡大

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「中国→日本」よりも「中国→ASEAN」が多い

JETROが実施した2016年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(JETRO海外ビジネス調査)によると、日本・中国・ASEAN・その他の地域において「過去2~3年間に拠点を移管した企業/今後2~3年間で移管する予定の企業」のうち「中国→日本」は約8.5%だった。「ASEAN→日本」の約2.6%、「その他→日本」の約3.5%を上回り、中国から日本への移管が進んでいることがわかる。「中国→日本」は「日本→中国」の約6.8%を上回る結果であり、中国への投資(金額ではなく企業数ベース)はネットでマイナスである。

しかし、対ASEANや対その他の地域では、依然として生産拠点を日本に戻す動きよりも、日本から海外に移管する動きのほうが多い。また、「中国→ASEAN」の比率も約15.3%と、「中国→日本」を大きく上回った。中国からの撤退を決める際、日本とASEAN諸国を比較して後者を選ぶ企業が多いことを示している。

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