そのストレッチが実は「筋力低下」を招くワケ 健康科学の「最新常識」知っていますか?
ちまたの常識は、実は時代遅れ
健康に関するニュースは、日々変わる。ある日は「健康に良い」と報じられたかと思うと、翌日には「健康に悪い」と報じられ、私たちはつねに右往左往させられている。結局多数派の意見を信じて、ケールを食べたり、デトックスに励んだりしている。
しかし、最新の研究によれば、ちまたで喧伝されるスーパーフードやフィットネスについての考え方は、大半が時代遅れであり、まったくの間違いであることが多い。ちなみにケールはスーパーフードではなく、栄養価は一般的な緑黄色野菜と同じ。デトックスに至っては、「毒素」なるものの存在は科学的に認められていない。
最近はやりのストレッチも、私たちは長らく「健康に良い」と信じてきた。大半の人は、ランニングやウエートトレーニングの前にはストレッチをしなさいと教わっている。しかし今では、ゆっくりと体の筋を伸ばすような「静的ストレッチ」には効果がないだけではなく、かえって筋力が低下することがわかっている。
テキサス工科大学で運動生理学を教え、『Fundamentals of Biomechanics(生体力学の基礎)』の著者でもあるデュエイン・ヌードソン教授は次にように語っている。「静的ストレッチをすると筋肉は存分に動きにくくなる。その結果、静的ストレッチを行った後の30分から1時間は運動能力が落ちる」。
ヌードソン教授は、もともと運動前の静的ストレッチに早い時期から疑問を投げかけていた研究者の1人であり、1998年に発表した論文が物議をかもしたことで知られている。この論文はあまりにも常識に反していたため、「筆者は誤解しているに違いない」と、多くの読者が編集者に苦情を伝えた。
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