そのストレッチが実は「筋力低下」を招くワケ

健康科学の「最新常識」知っていますか?

ヨガは、ダイエットにまったく効果がないどころか、かえって太りやすくさせるものだった?(写真:f9photos / PIXTA)
ジャンクフードは健康に悪く、仕事中のネットサーフィンは時間の無駄――。多くの人は、メディアで見たこんな健康情報を鵜呑みにして生きている。が、『ニューヨークマガジン』やロサンゼルス・タイムズなどに寄稿する健康科学ライターのジェフ・ウィルザー氏は、著書『科学でわかった正しい健康法』で、これまで常識とされてきた健康法が、実はエビデンスに基づいていないと指摘する。
ちまたで信じられている情報は本当に正しいのか。そんな疑問に答えるべく、ウィルザー氏は、栄養学や統計学、心理学、ビジネス、フィットネス、そしてヨガから歯学まで、あらゆるジャンルの専門家から話を聞き、イェール大学予防医学研究センターの所長デヴィット・カッツ博士やコクラン共同計画の主幹デヴィット・トヴィ博士などの協力を得て本書を執筆。その中からいくつかの「間違った健康常識」について紹介しよう。

ちまたの常識は、実は時代遅れ

健康に関するニュースは、日々変わる。ある日は「健康に良い」と報じられたかと思うと、翌日には「健康に悪い」と報じられ、私たちはつねに右往左往させられている。結局多数派の意見を信じて、ケールを食べたり、デトックスに励んだりしている。

しかし、最新の研究によれば、ちまたで喧伝されるスーパーフードやフィットネスについての考え方は、大半が時代遅れであり、まったくの間違いであることが多い。ちなみにケールはスーパーフードではなく、栄養価は一般的な緑黄色野菜と同じ。デトックスに至っては、「毒素」なるものの存在は科学的に認められていない。

最近はやりのストレッチも、私たちは長らく「健康に良い」と信じてきた。大半の人は、ランニングやウエートトレーニングの前にはストレッチをしなさいと教わっている。しかし今では、ゆっくりと体の筋を伸ばすような「静的ストレッチ」には効果がないだけではなく、かえって筋力が低下することがわかっている。

テキサス工科大学で運動生理学を教え、『Fundamentals of Biomechanics(生体力学の基礎)』の著者でもあるデュエイン・ヌードソン教授は次にように語っている。「静的ストレッチをすると筋肉は存分に動きにくくなる。その結果、静的ストレッチを行った後の30分から1時間は運動能力が落ちる」。

ヌードソン教授は、もともと運動前の静的ストレッチに早い時期から疑問を投げかけていた研究者の1人であり、1998年に発表した論文が物議をかもしたことで知られている。この論文はあまりにも常識に反していたため、「筆者は誤解しているに違いない」と、多くの読者が編集者に苦情を伝えた。

次ページなぜストレッチが問題なのか
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナウイルスの恐怖
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • トクを積む習慣
  • 子どもを本当に幸せにする「親の力」
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日本の経常収支に構造変化<br>10年後には赤字化も?

ドル円相場が不思議な安定を続けています。その背後に日本企業や投資家の行動変化があり、統計数値として経常収支に表れます。10年後に経常黒字が消え、通貨の信認を問われる時代になる可能性を踏まえ、国も企業も戦略を構築しておく必要があります。