米国株の有望業種は消費財、金融もなお注目 マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏に聞く(下)

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――米国といえば、シェールガス関連が注目を集めています。

シェールガス革命の本質というのは、非常に大きなエネルギーの埋蔵量があり、結果、安い価格でガスなどを供給できるようになるという点にあります。それにより、製造業などはエネルギーコストが大幅に下がるため、業績にとってポジティブな要因になるということですが、安いエネルギー源が格安で供給されるということは、シェールガスの採掘業者にとっては、採掘コストが高い半面、ほとんど利益が出ないということになります。

また、一般には「シェールガス」という言葉ばかりが話題になっていますが、むしろこれから注目されるのは、シェールガスとともに採掘される、シェールオイルの方でしょう。要はシェール層から採掘される石油です。そちらの方が、シェールガスよりも利益率が高いので、シェールビジネスが本格的に立ち上がるなかでは、シェールオイル関連のビジネスが儲かりそうです。たとえば、シェールオイルの精製業者とか、あるいは採掘したシェールオイルを輸送するパイプラインの製造業者などが注目を集めることになるでしょう。

――最後に、米国株投資で成功するためのポイントは?

割安で、かつ著名な企業に投資すれば良いのではないかと思います。

たとえばアップルは、これまで高成長企業として注目を集めてきましたが、これからは徐々に普通の会社になっていくでしょう。ただ、アップルはキャッシュ比率が非常に高い企業なので、株主の期待に十分応えられると思います。

つまり高成長は期待できませんが、潤沢なキャッシュを活用して自社株買いを行う、あるいはより多くの配当を出すといったことが期待されます。株価もすでに大きく値下がりしているので、これ以上、大きく売られるようなことにはならないでしょう。

こうして考えていくと、これからの米国株投資にはいくつかのテーマが想定されます。具体的には景気回復、政策、一時代を築いた企業のカムバック、景気が失速した時に強みを発揮するディフェンシブ、そして社会変革。この辺が、これから注目されるテーマであり、それに沿ったセクターや銘柄を探すのがコツです。

たとえば景気回復という点は金融セクター。また、「政策に売りなし」というところで、米国政府が全面に打ち出している政策面から言えば、ヘルスケアのセクターがあげられます。一時代を築いた企業のカムバックではアップル。ディフェンシブではジョンソン&ジョンソン。そして社会変革という点では、テスラモーターやグーグルなどが考えられます。これらのテーマの中で、自分自身の琴線に触れるようなテーマがあったら、それを中心に投資するのが良いでしょう。

東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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