やる気が出ない人を変えてしまう5つのコツ 自分自身を客観的にとらえれば行動できる

拡大
縮小

(5)役柄を意識する

私たちの行動は、持って生まれた性格やスキルよりも、「どんな役を自分は担っているか」という認識によって大きく影響を受けます。 ある実験では、囚人役と看守役を学生に担当させて演じさせたところ、看守は囚人に対して支配的な態度を取るようになり、囚人は囚人らしく卑屈に振る舞うようになりました。(スタンフォード大学 心理学者フィリップ・ジンバルドーの実験)

役職や、上司・部下という関係だけではありません。私たちは役割を持つと、その役割にふさわしい行動をするようになります。

「自分はどんな存在でありたいか?」を自由に考えてみましょう。役割が思いつかないときは好きな企業やブランドなどからもヒントを得られます。

役割を決めると、自分の思考が変化する

『図解 モチベーション大百科』(サンクチュアリ出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

私が自分に与えている役割は「ビジネスリーダーにとってのアマゾン役」です。彼らが今求めている情報を、いつでもすぐに届ける、そういう存在でありたいと思っています。役割を決めると、自分の思考が変化します。

その問題の解決は自分が立候補するべきか? そのイベントには参加するべきか? その新しい試みはやってみるべきか?

自分の中で、自分の新しい役割が決まると、新しい判断基準が生まれます。そして今まで大変だと思っていた行動や、おそれ多いと思っていた行動も、それをすることが、至極当然だと思えるようになってくるのです。

このように、モチベーションは法則があります。自分自身を客観的にとらえ、この法則に当てはめることができれば、きっと自分や周囲の人たちを、今よりもっと気持ちよく動かしていくことができることでしょう。

池田 貴将 オープンプラットフォーム代表取締役

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いけだ たかまさ / Takamasa Ikeda

リーダーシップ・行動心理学の研究者。早稲田大学卒。在学中に渡米し、世界No.1コーチと呼ばれるアンソニー・ロビンズ本人から直接指導を受け、そのノウハウを日本のビジネスシーンで活用しやすいものにアレンジ。感情と行動を生み出す心理学と、人間力を高める東洋哲学を統合した独自のメソッドが注目を浴びる。開催するセミナーはコンサルタントやビジネス作家などのプロも受講。著書に『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』『動きたくて眠れなくなる。』(サンクチュアリ出版)、『未来記憶』『心配するな。』(サンマーク出版)、『がんばらないほうが成功できる』(PHP研究所)などがある。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT