やる気が出ない人を変えてしまう5つのコツ 自分自身を客観的にとらえれば行動できる

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(3)脳をだます

次にこんな実験があります。

「ジャンピングジャックを50回やるとしたら、何回くらいで疲れそうか?」と聞く。すると、多くの人が「30回くらい」と答えました。

別の人たちに、「ジャンピングジャックを70回やるとしたら、何回くらいで疲れそうか?」と聞く。すると多くの人が「50回くらい」と答えました。 (社会心理学者エレン・ランガーの実験)

「自分の限界は、自分で決めている」というのはよく言われることですが、その一方で、「自分の限界を、自分で意識的に決める」ことによって、自分の脳を都合よくだますことができます。

エクササイズでは、目標の3分の2くらいが限界だと、多くの人が思います。であれば、目標をぎりぎりに設定するのではなく、1.5倍程度多く見積もっておけば、努力感なく、目標を達成できるかもしれません。脳は大変だと感じることがなく、いつの間にか課題をクリアしたいものなのです。

自分の長所が強調されて、自信がつく

(4)欠点を出し切る

・Aチーム

自分の長所を3つ書かせた。

・Bチーム

自分の長所を10個書かせた。

どちらが多く長所を出すことができたかといえば、もちろん10個書こうとしたグループ。しかし、そのあと自信に関するアンケートを取ったところ、BチームはAチームと比べ、はるかに自信がなかった。(ある経営コンサルタントによる実験)

Bチームの人たちは、最初はすらすら書けます。ところが10個思いつく前に、ペンが止まりはじめます。なんとか頭からひねり出そうとする。長所を「悩みながら」出す。だから、自信がなくなる。Aチームの人たちは、すらすら書き終えた自分の長所が強調されて、自信がつきました。

簡単に思いつくことは重要なこと。反対に、簡単に思いつかないことは重要なことじゃない。そう私たちはとらえます。ですから、なにかを始めるとき、心配な点、問題になりそうな点を、あらかじめ思いつくかぎり出し切ることのメリットはここにあります。

思いつきにくくなると、心配な点、問題になりそうな点が、重要ではなくなり、むしろポジティブな面に目が向きやすくなるのです。どんなに難しいチャレンジだとしても、「意外といけるのかもしれない」という自信も生まれやすくなります。

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