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大企業が注目!バイオ革命児「ちとせ」の正体【後編】バイオ製品の共同開発を目指す一大活動「MATSURI」の中身

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川崎市高津区にあるかながわサイエンスパーク内にある、ちとせ研究所の本社。赤い折り鶴のロゴマークが特徴的だ (撮影:今 祥雄)
生成AIの登場に加えて、金融引き締めによる資金調達の難しさ、人材獲得競争の激化……スタートアップをめぐる環境は大きく変化しています。連載「すごいベンチャー」では、そうしたスタートアップの最新情報を定期的に発信。ユニークなビジネスモデルや先進的な技術を持つスタートアップも紹介します。
今回の取り上げるベンチャーは、マレーシアで世界に類のない藻の大量培養拡大の計画を進めているバイオ企業群「ちとせグループ」。その後編です。
(前編はこちら

次世代のバイオ産業創出といっても、ちとせだけでは実現できないのは明白だ。そのためには国や地域をまたいで、さまざまな業種、企業とのタイアップが不可欠になる。

多種企業横断でバイオ産業化

生成AIの登場に加えて、金融引き締めによる資金調達の難しさ、人材獲得競争の激化……スタートアップをめぐる環境は大きく変化している。週刊東洋経済の恒例特集「すごいベンチャー」を連載化。連載の一覧はこちら

ちとせグループは2021年から「MATSURI」とネーミングした多種業種・企業などとバイオ製品の共同開発などを目指す一大提携活動を進めている。

もともとはサラワクプロジェクト、藻の大量培養プロジェクトと両輪で藻の産業化を実現するのが目的だった。いくら藻の大量培養、藻生産のコスト引き下げが実現できたとしても、それだけでは産業にはならない。

藻からできた油脂分やその他の成分はバイオ製品の原材料にはなっても、そのままでは食品、化粧品、飼料、肥料、化成品、燃料など広範なバイオ最終製品にはなりえないからだ。「餅は餅屋」で、製品や市場の知見、生産設備・販売チャネルをすでに持つ多様な業種の専門メーカーに最終製品にしてもらうことが、産業化への早道でもあり、現実解となる。

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