最愛の夫失ったFB幹部を救った「別の生き方」 サンドバーグ氏を導いたオプションBとは
サンドバーグ氏の新たな取り組みは、多くの人に影響を与え始めている。3年前に母親を亡くしたバレリー・パーマートリーさんは、逆境にある人や、苦難を乗り越えた人が自らの体験や意見を共有するoption.orgのサイトにこう記している。
「……私は効果的に、建設的に、悲しもうとしてきました。人々が私に『強いね』と言うとき、私は自分自身に、強いというよりも、頑固なのだと言っています。私は大丈夫でなくてはいけないのです。ほかの選択肢はありません。明らかに人生は短く、日々を無駄に過ごしてはいられないのです」
離婚後わずか7年で亡くなった母
レジリエンスの大切さを知ったもう1人は、スザンヌ・クロチアティさんだ。彼女の母親は夫と離婚後、無一文の状態で住んでいた家から追い出され、アパートを転々とした。一方、彼女の父親は医師であり、離婚後も裕福に暮らし続けていた。この状況下、クロチアティさんの母親は、離婚から7年後に亡くなった。この経験がクロチアティさんを変えた。
「私は、自分の母親が耐えたあらゆる種類の苦悩から、女性たちを守りたいのです」。そんな目標を持つ彼女は、離婚を経験した女性たちのための支援グループを設立し、離婚弁護士やセラピスト、不動産仲介業者、フィナンシャルアドバイザーを提供している。
これが、クロチアティさんにとって、自分の母親に起きたことを受け入れ、それに対処する方法だったという。「これは亡くなった私の母のために、女性たちを力づける私なりの方法なのです。あのときの母にこんな支援があったらと思います」。
人生には、今まで想像したこともないような難局に耐えなければならいことが時としてある。サンドバーグ氏の場合、夫との悲劇的な死別という悲劇に、レジリエンスを作り上げることで対処した。彼女は、自身を掘り下げ、周囲の人々からの支援を得ることによって、そして、感謝の気持ちや、「暗い気持ちに身を任せよ」という言葉からもレジリエンスを得た。これによって、自分がどうしてこうも悲しいのか、ということを分析できるようになり、最終的には悲しみを受け入れられるようになった。
ひょっとしたらサンドバーグ氏ほどのタフな女性だからこそ、レジリエンスを鍛えられたのかもしれない。が、人生で逆境に立たされたとき、そこからどう回復すればいいのかというヒントは、この本に詰まっている。サンドバーグ氏のように2年間で「立ち直る」レベルに到達できなくても、一歩前に踏み出す勇気を得たという人は増え続けている。
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