最愛の夫失ったFB幹部を救った「別の生き方」

サンドバーグ氏を導いたオプションBとは

当初、「レジリエンスとは、痛みに耐えられる能力だと思っていました」と彼女は振り返る。「それで、私が抱えている痛みはどのくらいなのか、どうしたらわかるのかをアダムに尋ねました。しかし、私たちそれぞれが持つレジリエンスの量は、固定化されているものではありません。それよりは、どうしたら悲しみから回復できるのかを尋ねるべきだとアダムは説明したのです」。

フェイスブックにつらい思いを投稿

『オプション B』は、ユダヤ教でシャローム(sheloshim)と呼ばれる配偶者に対して喪に服する30日の期間の最後に、サンドバーグ氏が書いたフェイスブックへの投稿から生まれた。

「私はますます酷(ひど)く落ち込んでいました。そこで、自分が今どのように感じているのかを正直に人々に打ち明けられるとしたら、なんて言うだろうか、と思って書いたのです。『これを投稿するなんてありえない。あまりにも生々しく、オープンで内心を吐露しすぎているもの』と考える間もなく、私はベッドに向かいました。翌朝起きたとき、本当に酷い気分だった私は、こう自分に言い聞かせました。『よし、これ以上状況が悪化することはない。状況が良くなる可能性はあるかもしれないけれど』。そして『投稿』ボタンをクリックしました。私がこの投稿をシェアしたことは、これまで自分がしてきたことで最もいいことのひとつでした。これによって、周りの人々の反応がものすごく変わったのですから」

この投稿の後、仕事上の友人や同僚が、サンドバーグ氏に話しかけるようになってきた。彼女と面識がない人々も、自分の経験をフェイスブックに投稿し始めていた。この思いがけない投稿が、彼女をレジリエンスの道に導いたと同時に、同じく逆境に苦しむ人たちのために本を執筆することにつながった。

著書の中で、サンドバーグ氏はレジリエンスを次のように定義している。「逆境への反応の強さと速さであり、私たちはそれをつくり上げることができます。それは気力を持つなどということではありません。それは、気力の周りにある筋肉を鍛えることです」。

著書はその大半を、いかにしてレジリエンスを鍛えるかについて説明するのに費やしている。その具体例は著書を読んでもらいたいが、悲しみについてカウンセリングを受けたり、日記をつけたりして、自分の悲しみと向き合った結果、サンドバーグ氏は、夫の死について自分を責める必要はないということを学んだ。

次ページ10日後にサンドバーグ氏が仕事に復帰すると…
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