「大切な人の死」に直面したら、するべきこと

知っておきたいグリーフ(悲嘆)ケアの具体例

大切な人との死別や離別による悲しみ、失業や病気による喪失感――。誰しもいつ自分がそのような立場に置かれるかわからない。だからこそ、グリーフケアについて知っておきたい(写真:MM4/PIXTA)

人は自分にとってかけがえのないものを喪失した時、これまで経験したことのない感情に襲われる。それは非常に深い悲しみであったり、身を切られるような辛さであったり、あるいは抑えることの難しいほどの怒りであったり、時には罪深い解放感であったり。

こうした心の奥底からほとばしる、あるいはじわじわと湧き出るような感情や反応は「グリーフ(悲嘆)」と呼ばれる。

私たちの人生はグリーフの連続

グリーフの原因となる喪失は、大切な人との死別や離別などに限らない。親との死別か、子供との死別かによっても感じ方は微妙に異なり、また長く慣れ親しんだ環境の喪失(転居、転勤、転校、卒業など)、自身が所有していたものの喪失(仕事、おカネ、ペットなど)、体の一部の喪失(怪我、病気、乳房、子宮、頭髪、老化など)もある。目標の喪失(仕事の終了:退職、子育ての終了:子供の自立など)、自尊心の喪失(いじめ、プライドやプライバシーの喪失)、さらには精神疾患のために記憶を喪失する、自然災害で安心感を喪失する、などなど、あらゆる事柄が含まれる。

さらに言えば、小さな喪失は日常の至る所にあふれている。寝坊したとか、乗ろうと思っていた電車に乗り損ねたとか、買いたいものが今日に限って売り切れていた、なんていうのも小さなグリーフとして私たちの心をほんの少し揺らす。つまり、私たちの人生とはグリーフの連続と言えるのである。

ではこうしたグリーフが、体と心にどのような反応を引き起こすのだろう。生じる反応は人により様々だが、ここではかけがえのない人を亡くしたグリーフの一例を紹介しよう。

グリーフに遭遇した直後、人はある種のパニック症状に襲われる。表情は能面のようになり、何が起こったのか分からなくなる。何も信じられない。考えたくない。感情が麻痺し、涙も出ないかも知れない。人によっては食べられなくなったり、声が出なくなったり、体が動かなくなる。亡くした時刻になると呼吸が浅くなることもある。

次ページ多くの人が「自責の念」にかられる
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 赤木智弘のゲーム一刀両断
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • グローバルアイ
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT