顧客本位の「よいFP」を見極める3つの方法 ファイナンシャルプランナーの見分け方

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一方、商品販売にかかわっていても顧客本位の助言ができる自信があるFPは、「販売系」であることを前面に打ち出し、顧客が「十分に疑える」ようにしたらいいはずです。

あるいは、独立系を名乗るのであれば、販売業務から手を引くことでしょう。

「それでは食べていけなくなる」と反論する向きもありますが、世の中には、大事にしたい仕事で信念を曲げないために、異業種で稼ぐ人もいます。わざわざ、相談業務で対応する顧客と利益相反になる業務を手掛けることはないだろう、と思うのです。

FPの信頼度を見分ける際に

最後に、筆者がFPの信頼度を見分ける際に意識していることを、字数が許す範囲で挙げておきます。下記に該当する場合、大きな間違いは避けられるのではないでしょうか。

1 目的別・おカネの使途別の保険活用を勧めない

そもそも保険の仕組みは、さまざまな目的に合っていません。特に老後の医療保障など、発生しがちな事態には不向きです。「年齢とともに高まるリスクに保険で備えたい」といった顧客のニーズがあっても、「残念ながら、お客様のニーズが間違っています」と指摘するのが、FPの役目でしょう。

子どもが生まれたら学資保険に入るべきなどと考えている人たちにも、「17~18年後までに最も有利なおカネの増やし方など誰も知らないはずです。『おカネの使い道によって最適な商品がある』という幻想を持つと、金融機関に付け込まれます」と、教えるFPが好ましいと思います。

2 「将来のおカネの価値」については、割り引いて評価する

「終身保険」「個人年金保険」など、貯蓄性が語られる保険で、解約時の払戻金や年金総額を、保険料払込総額で割る単純計算で算出した「返戻率」「戻り率」を用いて「いまどき、驚異の120%」などと評価するFPがいます。

しかし、この計算では、中途解約時に長期間マイナスが出るリスクや貨幣価値の変動等が考慮されていません。「将来の100%は、100%未満と評価すべきです。単純計算で出した返戻率を額面どおりに受け取ってはいけません」と語るのが、FPの基本でしょう。

3 手数料等のコストを重視する

保険はおカネ(保険料)でおカネ(死亡保険金・入院給付金・年金など)を用意する手段です。したがって、保険会社の運営費として費消されるおカネが多くなるほど、顧客に還元されるおカネは少なくなります。つまり、顧客から見ると、契約に要するコストが低いほど、よい商品です。

特に、貯蓄性が語られる保険では、手数料等のコストは決定的なマイナス要因になります。先に、銀行に勤務するFPが語っていたとおり、「外貨建て保険」や投資信託で運用する「変額保険」などは、手数料が高く、おカネを増やしたい人が近づいてはいけない商品です。金融商品のコストに甘いFPは避けましょう。

以上の3点は、「販売系」FPが語りたがらないことでもあるように感じます。読者の皆さまがFPと接する場合、まずは「収入源」を確認なさるようにおすすめします。

後田 亨 オフィスバトン「保険相談室」代表

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うしろだ とおる / Tooru Ushiroda

1959年、長崎県出身。長崎大学経済学部卒。1995年、アパレルメーカーから日本生命へ転職。営業職、複数の保険会社の商品を扱う代理店を経て2012年に独立。現在はオフィスバトン「保険相談室」代表として執筆やセミナー講師、個人向け有料相談を手掛ける。『「保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由』(青春出版社)ほか、著書・メディア掲載多数。

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