まずひとつ目の会話のクセは、事実やプロセス確認をする質問に偏るというもの。彼らは研究熱心なので、女性に対しては「聞き上手がいい」という知識はあります。だから、質問して相手に話させるというスタイルをとります。ここまでは、悪くはありません。しかし、この先が問題なのです。
この「質問」には“事実やプロセスの確認”という枕詞がつきます。たとえば、女性が「私、ミュージカルが大好きなんです!」と目を輝かせて語ったとします。すると「月に何回いくの?」とか「その演目は何回目?」など「回数」「頻度」や「チケット購入方法」など、事実やプロセス確認の質問をするので、話が広がっていかないのです。なぜなら、相手は「何が面白いのか」という思いや体験を語りたいからです。
もうひとつの会話クセとしては、「一問一答形式」です。イメージとしては次のような会話の流れになります。
・質問する→相手がコメント→そうなんだ(完結)
・別の質問→相手がコメント→そうなんだ(完結)
・また別の質問→相手が回答→そうなんだ(完結)
最後の「そうなんだ」は、「論評」だったり、「否定」のコメントに置き換わったりします。女性(=話し手)からしたら反応が乏しいこともあるし、尋問されているようだし、トークに弾みがつきません。というより沈んでいく一方。
腰砕け状態の中でタイムアウト
もうひとつ「そうなんだ」に置き換わるものがあります。それは自分の関心があることを、突然、堰を切ったように語りだすというもの。これが3つ目の会話のクセです。たとえば女性が「香港の夜景、きれいでした」と目を輝かせてコメントしたとします。すると、突然、「電力の需要計算」についてとうとうと語りだすのです(本当にあった話です)。
どうして、話の流れを無視して唐突な話をするのでしょうか。当の相談者さんに曰く、「いろいろと連想しちゃうんですよね」とのこと。「夜景→多数の照明機器→電力量→需要計算」という連想ゲームが頭の中で働いて、目の前の相手が見えなくなってしまうそうです。
職業柄もあるのでしょう。専門領域を長年一筋に掘り下げている。だから、無意識に自分の関心事に焦点が当たりすぎているのです。結果、自分の関心がないことはスルーするので「一問一答」形式になり、関心があることに対しては、話の流れや相手の意向にかまわずとうとうと語るというわけです。
こうした会話を重ねると、女性は次第に話をする意欲を失って沈黙しがちになり、男性は「やばい、次は何を質問しようか……」と焦り、腰砕け状態の中でタイムアウトとなるのです。
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