「女の荷物を持ちたがる男」の大いなる勘違い 男は女と一緒に歩くときの対応で品評される

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ボクは幸運にも、勘違いをする前に女性社員から教えていただいたのですが、オトコはオンナの荷物をなんでも持てばいいってもんじゃない。女性は明らかに女性の物とわかる持ち物を、一緒に歩く男性に持たれるのはすごく嫌がります。女性用のバッグを男性が持つという光景自体、自分が男性を従わせる「嫌なオンナ」に見えるので恥ずかしいそうです。また自分で持てるのに、何でも「オレが持つよ」と取り上げられるのもバカにされているようで不愉快に感じるとのこと。

もちろん、重たそうに持っている荷物を男性が「持ちますよ」と自然と受け取ると、女性は「優しい」と評価してくれます。あざとく「何でも持ちます」アピールをするのではなく、女性が持ってもらうと助かる物、うれしい物を、見分けて自然に受け取る。それが女性と一緒に歩くときの心得だと学びました。

「地図が読めないオトコ」でも女性の評価は得られる

オトコと歩くオンナの評価ポイント、その3つ目は「道案内」。一昔前に「オンナは地図が読めない、オトコは話を聞かない」という理論が広まりました。オトコたるもの、地図が読めない女性のために道案内をすべし、と考える男性も多くいるようです。

ボクもオトコではありますが、地図を読むのが苦手で、女性の話を聞くけど地図が読めないオトコです。通りを歩いているときに道を聞かれても、「何々通りを歩いて」とか「この先に〜という建物があるからそこを右に曲がって」という道案内ができません。そんな道案内下手のボクですが、あるとき一緒に歩く女性からの評価がアガるお作法を発見したことがあります。

それは外回りで、同僚の女性と一緒に歩いていたときでした。老婦人が近寄ってきて「~に行きたいんですけど」と声をかけてきました。その目的地はすぐ近くでわかるのですが、町や通りや近くの建物の名前がわからず、うまく説明ができません。仕方がないので同僚女性に待ってもらって、「目的地が見えるまで一緒に行きましょう」と老婦人と一緒に歩いて、「向こうに見えるあの白い建物です」と案内したことがありました。

道案内終えて戻ってきたら、同僚の彼女が普段よりニコニコして待っていました。「待たせちゃったのに、なぜ?」と思っていたら、「優しいんですね」の一言。その出来事をきっかけに、彼女の仕事での対応が変化したのを覚えています。あ、そっか。女性は道案内を言葉だけで説明されるとわかりづらいから、一緒に歩いてもらえるとうれしいんだ!と、「一緒に付いてく道案内」の効果に気づきました。

女性と歩くときは三歩前を歩くべし、持ち物は持ってあげるべし、地図が読めるべし。オンナと歩くときのオトコの自己満足にすぎない、こうした「自分はこうあるべき論」が先行すると、一緒に歩くというせっかく共有体験のチャンスを活かせません。一緒に歩く女性が助かること、喜ぶことを考えて行動する。普通だけれど見逃しがちな振る舞いを継続していると、女性からの評価はいつの間にか上場来最高値までアガり、結果として仕事がやりやすくなるものです。

側を歩いている女性が今何を考えているか、困っているか。ちょっと意識を向けてみてはいかがでしょうか。

タブ タカヒロ ビジネスコンサルタント、はたらく女性のかていきょうし

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たぶ たかひろ / Takahiro Tabu

東亜大学トータルビューティ学科客員准教授。外資系アパレル2社→MBA取得→コンサルティングファームという経歴で現在に至る。新卒でやたらと有能な女性の多い職場で女子力を鍛えられ、海外勤務も経験。MBA取得後、コンサルティングファームにて、男くさいロジックと競争の世界に翻弄され、一瞬自分を見失ったものの、土壇場で開眼。周りを巻き込み味方を増やしてわくわく仕事をするスタイルを確立。週末にライフワークとして行っている「はたらく女性のかていきょうし」は大人気の数カ月待ち。セミナー開催や、雑誌取材など多方面で活躍中。共著に『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書き」ノートを使うのか?』(KADOKAWA)。

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