本当に働きやすい会社を見抜くポイント7選 就活生や転職希望者なら知っておきたい
また、伊藤忠商事は、総合商社といえば海外駐在も珍しくないが、セコムと提携して、海外駐在をする社員の老親の見守りサービスを会社の費用負担で提供するという福利厚生制度を実施している。
育児・介護・配偶者の転勤で退職した社員の再雇用を制度化する企業も増えている。たとえば、アサヒビールの「ウェルカムバック制度」は、「勤続3年以上の従業員が結婚、妊娠、出産、育児、家族の看病・介護、配偶者の転勤などの理由で退職した場合、規定の条件が満たされていれば、年齢制限なしで再雇用を認める」ということだ。
なお、このような制度がどれくらい充実しているのかは、各社のホームページ等でも確認できるが、公的な基準として「くるみんマーク」を取得しているかも1つの目安となる。
「くるみんマーク」とは、男性の育児休業取得者が1人以上いるとか、女性の育児休業取得率が70%以上であるとか、いくつかの基準を満たした場合に、国へ申請して取得できるものである。くるみんマークを取得していることは企業のホームページ等で紹介されていることも多いし、厚生労働省のホームページで取得企業一覧を確認することもできる(検索エンジンで「くるみんマーク 厚生労働省」とキーワード検索をしていただきたい)。
退職金支給の有無も、支給額も会社次第
(7)退職金制度の有無と内容
入社時にはあまり気にしないかもしれないが、定年が近づいたり、転職を考えたりする際に気になるのが退職金である。
私が学生の頃などは「退職金はどの会社でも当然支給されるもの」と誤解していたが、退職金は法定の賃金ではないので、支給の有無も、支給額も会社次第である。
公的年金の支給開始が60歳から65歳になり、今後はさらに引き上げられる予定なので、公的年金が支給されるまでの「つなぎ」としても退職金の役割はますます重要になっている。退職金がない会社の場合は、月々の賃金や賞与から、老後に向けての貯蓄や資産運用に回さなければならない部分が増えるので、実質的な可処分所得は減少してしまう。
また、転職を考えるにあたり、自己都合退職の場合は、雇用保険からの失業手当が受け取れるようになるまでに3カ月の給付制限があるので、退職金がない会社の場合は、貯蓄がなければ会社を辞めての転職活動が難しくなる可能性が高い。
また、私のように「脱サラ」して独立する場合も、もちろん定年退職をした場合に比べれば圧倒的に少ないが、いくらかの退職金があることで、独立当初の資金繰りは大いに助けられた。
このように、退職金があることで、人生のさまざまな場面で助けられたり、セーフティネットになったりする。入社前に退職金規程そのものを見ることは難しいかもしれないが、最低限、退職金制度の有無は確認しておきたいものである。
もちろん、「やりたい仕事」「好きな仕事」に就くことができるのが望ましいが、どんなに好きな仕事でも、過酷な長時間労働であったり、生活していけないくらいの賃金しかもらえなかったりしたら、長続きはしない。やはり、本当の意味でバリバリ働いて、ワーク・ライフ・バランスを充実させるためには、社員の生活や健康のことをしっかり考えてくれる会社を選びたいものである。
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