保険のプロは「自分の保険」をどう見直したか 保険代理店社長が入っている保険の「その後」

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「収入保障保険」に就業不能状態に対応する特約を付加できる保険も登場していますが、「保険会社の都合で出た新商品」と認識しています。

従来の収入保障保険は、死亡保障のみを行う商品なので、各社の商品の比較検討が容易です。同じ保険金額であれば、保険料が安い会社で加入するという判断をしやすいのです。そのため、さまざまな特約を付加し、単純比較を難しくし、価格競争を避けたいという保険会社の思惑から、新商品が開発されているのではないか、と疑っているわけです。

がん保険についても同じようにとらえています。「医療保険に付加している特約のように、診断時に300万円払われるような保険が望ましい。300万円あれば、先進医療も受けられる。通院や治療法別に給付金が支払われる近年のがん保険は、まとまった額の診断給付金支払いを避けたい保険会社の都合」と明快な答えが返ってきます。

貯蓄商品の値上げもあり、注目されている「外貨建て保険」などは、「円では難しくても外貨ならおカネが増やせるなんて……、為替リスクもあるし、そんなに甘くない。保険会社は『(外貨建て保険を)売れ』とうるさいけれど、売ってない」と一刀両断です。

老後資金は確定拠出年金で

最後に「40代に入り、老後資金などは気になりませんか」と尋ねたところ、「確定拠出年金は最優先で利用している。今より口座管理手数料が安い金融機関へ移行したい」と即答されました。

あらためて、読者の皆さま(特に自営業の方)に参考になりそうな点をまとめると、

●子供が自立するまでの期間限定で、世帯主の死亡保障を持つ

●一生涯の保障にはこだわらない

●がんへの備えは、入院・通院・治療法などの使途を問わない、診断時の一時金にこだわる

●比較検討が難しいような商品は、保険会社の都合で販売されているかもしれない

●老後資金準備の最右翼は「確定拠出年金」

といったところでしょうか。

筆者の見解もほぼ一致していますが、「単身世帯が増える中、就業不能状態に備える特約の付いた収入保障保険は一考に値する」と考えています。その点でAさんと異なる見解を持っていることも付記しておきます。

後田 亨 オフィスバトン「保険相談室」代表

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うしろだ とおる / Tooru Ushiroda

1959年、長崎県出身。長崎大学経済学部卒。1995年、アパレルメーカーから日本生命へ転職。営業職、複数の保険会社の商品を扱う代理店を経て2012年に独立。現在はオフィスバトン「保険相談室」代表として執筆やセミナー講師、個人向け有料相談を手掛ける。『「保険のプロ」が生命保険に入らないもっともな理由』(青春出版社)ほか、著書・メディア掲載多数。

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