保険のプロは「自分の保険」をどう見直したか

保険代理店社長が入っている保険の「その後」

この10年の間に変更されている点がありました。

まず、死亡保険金の月額が15万円から20万円になっていました。「代理店の仕事がうまくいっていて、少しは生活水準が上がった。保険料率の改定もあって、死亡保険の保険料は安くなっていた」ため、加入から2年後に見直したのです。

保障期間は60歳まで、保険料は5520円、保険会社は損保ジャパン日本興亜ひまわり生命のまま、新たに入り直し、前契約は解約しています。

医療保険は、「更新時にはやめてもいいかと考えていながら、一度入ってしまうと解約にも抵抗があり、更新した」とのことです。更新後の保険料は3279円です。

自分が生きている間に役に立つ可能性がある保険に関しては、判断が難しいことを考えさせられる例です。

不本意な学資保険の追加契約

ほかに追加契約もありました。満期金250万円の「学資保険(ソニー生命)」です。「子供がいるのに学資保険に入らなくていいのか?」と、親族から受け続けた「外圧」に屈したのだそうです。「お客さんを説得する際は、時間をかけて持論を語ることができる。でも、身内相手だと『面倒だ』となってしまった」と言います。

そもそも「満期や解約時の払戻金は『自分が払ったおカネ』だから、喜んでも仕方がない」と考えているため、不本意な契約のようです。保険契約に及ぼす人間関係の影響の大きさを感じます。

ここまでの話から、筆者は、10年前と比べ、Aさんの保険契約に関する合理性を問う姿勢がやや甘くなっているように感じました。代理店経営が順調で、資金面で余裕ができたせいかもしれません。

興味深かったのは、この10年で登場した新商品や特約についての見解でした。まず、病気やケガで長期間、仕事に就くことができなくなった場合の所得を補填する「就業不能保険」や「給与サポート保険」については、「自分自身に、説得力があるプレゼンテーションができていない状態」だそうです。

重大な事態であることはわかるが、死亡時に備える保険にはすでに加入しているし、確率から考えて、追加契約をして備えるには至っていない、「ぶっちゃけ、保険会社から次々と提示されるリスクにいちいち備えていたらキリがない」と言うのです。

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