ルノー・トゥインゴ「171万円」MT車の魅力

異色のRRレイアウトは意外と楽しいぞ

それゆえ、ガスペダルをベタ踏みしても、ポルシェ 911みたいにドンと後ろから蹴っ飛ばされるような感触はない。そういう意味ではRRっぽくはない。曖昧に進んでいく感じがする。車重が960kgと軽く、それを走らせる低速トルクは十分で、信号からのスタートで遅れをとることはない。クラッチの操作もギア・シフトもむずかしくない。

エンジンの魅力のなさがフランス車っぽい

乗り心地が意外と硬めなのは最近のフランス車に共通しているけれど、硬すぎない。フラットで、いい感じ。僕は好きだ。扁平率の高いタイヤ、前165/65R15、後ろ185/60R15のダンロップSPORT BLURESPONSEの当たりが柔らかいことも福音になっている。

フロアの剛性感が高いのはまるでドイツ車みたいで、このクルマがスマートの兄弟車であることを思い出させる。電動パワーステアリングのフィールは上々で、しっとりしている。フロントにエンジンがない分、前輪は切れ角が大きくとれる。ステアリングはロック・トゥ・ロックが4回転ぐらいもある。ぐるぐる回る。

100km/h巡航は、このクラスとしてはたいへん静かである。前述したようにRRであることが効いている。エンジンに魅力はない。必要最低限のパワーとトルクを供給してくれるだけだ。排気音も、おじさんのいびきが、ふすまの向こうから聞こえてくる感じで、快音とはいえない。その魅力のなさがフランス車っぽくて魅力的だ。

マニュアルを駆使して、エンジンを目一杯回し、目一杯加速して走っていると、やってるぜ、という心持ちがする。一旦スピードに乗ると、その速度を維持できる。フラットな平野をひた走るフランス車なればこそだ。

高速巡航時には、前から引っ張られる、矢のような直進安定性はない。スタビリティが悪いわけではない。ちゃんとまっすぐ走るのだけれど、なんとなくそういう感がある。そこがFFではなくて、RRということだろう。

ゆいいつ気になったのは、ヨーロッパの小型車の右ハンドル仕様にありがちなことだけれど、左足の置き場がないことだ。仕方がないので、クラッチ・ペダルの奥に置いたりしてみる。妙に落ち着かないので、ペダルの手前に置き換えてみたりもしてみる。クラッチ操作のたびに、左の脚を伸ばしたり引っ込めたりしなければならない。

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