豪華な新社屋はアップルの「墓標」になるのか 豪華な新社屋を建てると社運が傾く?

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しかし、データを活用し、機械学習を駆使した未来を新たに作り出していくという点では、ビッグ5のうちアップルを除く4強のほうが良い位置につけているようだ。

そんな中アップルは、1万2000人の従業員を巨大なドーナツ型の新社屋に引っ越しさせようとしている。2階建てのヨガルームを併設するフィットネスセンターが設けられており、その総面積は約9300平方メートルに達する。

米ワイアード誌はこの施設の内装について、このように伝えている。「カンザス州にある指定の石切場から切り出され、まるでウォッシュアウトジーンズのように『新品に見えないよう入念に加工された』大理石が敷き詰められている。このような加工が行われたのは、スティーブ・ジョブズが一番気に入っていたヨセミテにあるホテルの内装と、見た目を同じにするためだ」

シリコングラフィックス、AOLタイム・ワーナー・・・

豪華な社屋を建てたすべての企業が没落するわけではないが、そうした事例はこれまでも数多く発生し、注目を集めてきた。

シリコングラフィックスは、業績の絶頂期に広大な敷地を持つ本社を建設したが、2003年にはこの施設を当時急成長していたグーグルに売却した。

AOLタイム・ワーナーは合併したばかりの2000年に、ニューヨーク市内の一等地で巨大な本社の建設に着手したが、その直後に株価が暴落し、史上最悪の合併劇の1つとの烙印を押された。

とはいえ、アップルには優れた人材がそろっており、あっと驚くような素晴らしい新製品を発表し、他社を突き離す可能性もある。2600億ドル近い現金も保有している。これは、GE(ゼネラル・エレクトリック)やAT&T、あるいはビールメーカーのアンハイザー・ブッシュ・インベブを買収できるほどの金額だ(そうなれば「アップル・ビール」が実現する!)。

だが、アップルの壮大な新社屋がいつか、かつて時価総額が8000億ドルに達した頃の栄華を後世に伝えるモニュメントになる日がやってくる可能性も、同程度にある。

(翻訳:河原里香/ガリレオ)

「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

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