アップルウォッチが高級時計に負けない理由 彼らがつくったのは「外されない時計」だ
時計ジャーナリストであり、また時計専門雑誌の編集長でもある広田雅将は、本格派の機械式時計を毎日着け替えているのかと思いきや、なぜかApple Watchを使っている。どうして?
これほど時計らしい時計を見たことがない
先日、Appleに呼ばれて人と会ってきた。誰と会ったか、何を話したかは書けないが、ひとつ合点のいったことがある。会った彼について調べたところ、Apple Watchの開発とヘルスケアビジネスを担当していることがわかった。Apple Watchとヘルスケア。ふたつの関係を考えると、なぜApple Watchが売れているのか、おぼろげながらわかってくる。
「すごい機械式時計をいっぱい持ってらっしゃるんでしょう?」とよく聞かれるのだが、実はそういう類の時計はそれほど持っていない。最近腕に巻いているのは、もっぱらApple Watchである。というのも最近、これほど時計らしい時計を見たことがない。時計専門家の端くれとして、スマートウォッチにはほとんどすべて目を通してきたが、その中で、ほぼ唯一評価し、普段使っているのがApple Watchなのだ。
その理由はふたつ。Apple Watchの外装は、セラミックスにせよステンレスケースのモデルにせよ、同価格帯の時計よりはるかに良くできている。このふたつに限っていうと、外装の質感は50万円程度の時計に肩を並べるのではないか。多くの時計関係者が、やがてApple Watchへのコメントを控えるようになったはずである。